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数々のコラボが世界中でニュースになった90年代

‘98年のカタログ表紙
‘98年のカタログ表紙。斬新なヴィジュアル戦略もあり、アウトドアだけでなくストリートシーンにまで大きな影響を持つように。
——90年代にはアパレルも非常に人気があったと記憶しています。
稲田 創始者であるチャールズ&メアリー・パーソン夫妻が引退した頃、タウン寄りの展開も拡大し、ストリートへ浸透したんです。最近では、ジュンヤ ワタナベとコラボしたマウンテンパーカの大ヒットを覚えている方も多いのではないでしょうか。
マウンテンパーカ
90年代に販売されたマウンテンパーカとサイクルジャケット。若かりし頃の思い出が蘇る人も多いのでは?
白子 同じイギリス発祥のポール・スミスとの協業も凄かったです。ちょうどストリートファッションが流行し、アウトドドアMIX的なコーディネイトも一般化。カリマーは少しハイプライス傾向だったのもあり、多くの若者にとって憧れブランドのひとつでしたね。僕自身も頑張って買いましたから。
 

日本にヘッドオフィスを移し、カリマーインターナショナルとして活動開始

稲田さん、白子さん
——そして今年、新しいレーベルを発表したそうで。
稲田 さまざまなニーズに対応するため、レーベルの整理含め改革を。アウトドア部門とデイリー部門は「explorer(エクスプローラー)」と「life(ライフ)」に。さらに、よりシリアスなクライマー向けの「ultimate(アルティメイト)」、バックパックとのマッチングに注力しつつファッション面まで研ぎ澄ました「aspire(アスパイア)」を加えました。いずれのレーベルも移動装備をテーマにしているのが特徴です。
アスパイア
ファッション性を高め、ブランドの象徴であるバッグとの親和性も考慮した「aspire(アスパイア)」。
アルティメイト
クライマー向けに実用性を追求した「ultimate(アルティメイト)」。
——今年からカリマーは日本発信になったとか?
稲田 本国の仕様だと日本人の体格にフィットしないため、2000年頃に日本独自企画がスタート。ブランド設立から時が経ち、カリマーのDNAを正しく継承したのは日本だけになっています。私たちはブランドがスタートしたときのスピリットを大切にし、もう一度“carry more”を徹底。今は電車や車でなんでも簡単に運べます。でも、人力しか頼れないシーンも絶対に存在する。疲れず、もっと快適に荷物が運べるアイテムを作り出さないといけません。新生カリマーに期待してください。
金井幸男=取材・文 平安名栄一=写真


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