唯一無二のクーラーボックスブランド「イエティ」。誕生のきっかけと熱いポリシー
連載「Camp Gear Note」
90年代以上のブームといわれているアウトドア。次々に新しいギアも生まれ、ファンには堪らない状況になっている。でも、そんなギアに関してどれほど知っているだろうか? 人気ブランドの個性と歴史、看板モデルの扱い方まで、徹底的に掘り下げる。
創立は2006年と比較的若いブランドながら、プレミアムクーラーボックスの代名詞となった「YETI(イエティ)」。一般キャンパーからプロアングラー、ハンターなど、さまざまなユーザーから信頼される理由をディレクター兼広報を務めるJoanna Cochranさんに伺った。
——ブランドのヒストリーを教えてください。
創設者であるRoyとRyan のSeiders兄弟は、アウトドアに対して情熱を持っていました。しかし、出回っていたクーラーは彼らが望むアドベンチャーに適合するレベルには達していなくて。まず、ハンドルが折れたり、ラッチが取れたり、蓋が歪んでしまったりと、耐久性に疑問がありました。加えて、壊れても対応が難しく、フィールドでの活動に制限をかけるブレーキだったのです。

そういった不満から、求められる環境下で実際に使用できるクーラーを自分たちで作ろうと「イエティ」は誕生。2006年の創業以降、市場をリードするライフスタイルブランドに成長し、クーラーボックスだけでなく必要とされるプレミアムアウトドア製品をデザイン・製造・販売するようになりました。
——ブランドとして大切にしているポリシーは?
「イエティ」とはイノベーションとパフォーマンス、妥協のない品質、そして耐久性を表すと考えています。プレミアムな価格に相応しい高いパフォーマンス、環境を問わず性能を発揮する、デザインも上質な製品を提案するのが信条です。
熊や花火、プロレスラーまで動員して耐久性を検査したクーラー

——日本では「イエティ」のクーラーボックスは憧れであり、ある種のステータスシンボルにもなっています。「タンドラ」を筆頭とするプロダクトに、どのようなこだわりを持っていますか?
自然のフィールドと自社の開発センター、両方を使って全製品を入念にデザインし、厳しいテストをクリアした、優れたアイテムのみ提供しています。例えば、代表モデルである「タンドラ」の開発には2年を費やしました。
熊や花火、200㎏を超す体重のプロレスラーなど、想像できるすべてのトラブルも試したんですよ。もちろん、ルックスも最高レベルに達するまで試行錯誤をしました。どれだけ頑丈かはYouTubeでチェックしてみてください。
——イエティ製クーラーボックスを使用する際、気をつけることはありますか?
特には思い当たりません。「イエティ」はシンプルな使命から生まれました。それは、毎日のように使えるクーラーを作ること。ですから、さまざまなフィールドで年中荒い使い方をしても、大丈夫なように設計されているんです。
イエティのクーラーボックスをより永く使うには?
——使用後のクーラーボックス、どのようにメンテナンスをすれば?
本体とガスケットを石鹸と水で洗ってください。しつこいシミやニオイに対しては、6:1の割合で水と漂白剤を混ぜてブラッシング。高圧洗浄機を使うのも良いでしょう。
クーラーボックスのメンテナンスのコツ
●ポイント1「薄めた中性洗剤で全体を優しく磨く」

●ポイント2「ガスケットも外して丁寧に洗浄」

協力:イエティ正規輸入代理店・(株)エイアンドエフ
群を抜く保冷性と頑強さで知られる「イエティ」。無骨なルックスも人気の理由だが、一方で壊れやすいヒンジ部分=Tラッチ(開閉時に利用するハンドル部分)が簡単に自力交換できるなど、細やかな設計も見逃せない。
アウトドアを愛する兄弟が理想を求めて辿り着いた究極のクーラーボックス。キャンパーならいずれコレクションに加えたいと思うのが当然だろう。
【取材協力】
A&Fカントリー本店
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平安名栄一=写真 金井幸男=取材・文