「モヤモヤ り〜だぁ〜ず」とは…… 本日の相談者:37歳、総合商社「自分がメンバーだったときに労働時間管理は自主的にやっていたのですが、管理職になってみると、労働時間管理がまったくできないメンバーがいるのに驚いています。
いくら指摘しても長時間労働が治りません。賃金が欲しくて不要な時間外労働をしているとしか思えません。どう対処すればよいでしょうか」。
アドバイスしてくれるのは……そわっち(曽和利光さん)1971年生まれ。人材研究所代表取締役社長。リクルート、ライフネット生命保険、オープンハウスにて人事・採用部門の責任者を務めてきた、その道のプロフェッショナル。著書に『人事と採用のセオリー』(ソシム)、『日本のGPAトップ大学生たちはなぜ就活で楽勝できるのか?』(共著・星海社新書)ほか。
労働時間管理は上司の仕事
ここで言う「労働時間管理」とは何でしょうか。
メンバーの労働時間管理がまったくできないと言っても、出社時間(テレワークなら仕事開始時間)と退社時間(仕事終了時間)や休憩時間などが記録できないということではないでしょう。
おそらくアサインメント(割り当て)した仕事に対して上司の予想や、メンバー申告より長い時間働いていることを指すのかと思います。
もちろんメンバー自身がセルフコントロールできればそれは素晴らしいことですし、ご相談者はメンバー時代にやっていたとのことですが、そういう意味での労働時間管理はそもそも管理職の仕事であって、究極的にはメンバーに責任はないと考えます。
上司自身に問題がないかを考える
メンバーマネジメントとは、簡単に言えば、メンバーの力量を的確に評価して、それに見合った仕事をアサインすること。そして、途中でフォローをしながら、最終的にゴールへと導くことです。
力量以上の仕事をメンバーに与え、かつ適切なフォローをしなければ、オーバーフローして長時間残業になるのも当たり前です。
ですから、最初にすべきことは、上司自身が「メンバーの力量の評価間違い」「仕事の負荷の評価間違い」「必要なフォローの不足」などの確認をすることです。
結果だけをみて、期待通りになっていなからといって、すべてをメンバーのせいにしてはいけません。
① メンバーの力量の見立ては的確か
まず、「メンバーの力量の評価間違い」について考えます。
自分はメンバーの力量を知っていると思っていても、ある特定の作業を想定して「あのメンバーはこの作業を何時間で完了させられるか?」と問われれば、答えに詰まる人も多いのではないでしょうか。
実施している人は意外に少ないですが、メンバーが何かの作業を終えたら必ず「これはどのくらい時間がかかったのか」を常にヒアリングしましょう。
これを続ければ、メンバーの力量(どんな仕事だとどれくらいの時間でできるのか等)を、解像度高く理解できるようになります。
2/2