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② 業務の平準化ができているか 



次は、「仕事の負荷の評価間違い」です。仕事を分解して、すべての作業の流れや負荷を説明できているでしょうか。

どの作業にどんな能力やスキルが必要で、一般的にどのくらい時間がかかり、どの工程を先にしておかないと全体スケジュールが遅れるのか、などイメージできているでしょうか。

そして、既に各メンバーが抱えている仕事の負荷がどのくらいで、ぞれぞれの余力がどのくらいあるか理解しているでしょうか。

これができなければ、本来は平準化すべき作業負荷を、特定の人には過剰にかけてしまい、一方で暇を持て余す人を生み出してしまいます。

もしかすると長時間労働しているメンバーは過負荷なのかもしれません。そうであれば、何かの仕事を別の人に移すことを上司はしなければなりません。

③ メンバーのピンチを認識しているか

最後は、「必要なフォローの不足」です。

メンバーの力量に対して過剰な仕事だとわかっていながら、仕事を振ってしまうこともあるでしょう。しかし、その過剰さの度合いがきちんとわかっているのと、「なんとなく大変」だと漠然と感じるのとは天と地との差です。

「あのメンバーの仕事量の山は今週だ」とわかっていれば自分やほかの余力あるメンバーにサポートさせることができますし、「あのメンバーはこのスキルを伝授しなければあの仕事は完了できない」とわかっていれば、仕事前にレクチャーをすることができます。

そういうことをしていないと、あとから締め切りに間に合わないとか、間違ったやり方をして二度手間になるとかが起きて、これまた長時間労働になるというわけです。

それでも「生活残業」を疑うなら 



ここまでで思い当たる節があれば、部下を疑う前に、ぜひ自分自身を改善してみてください。

それでも部下が残業をやめないということであれば、おっしゃるように、もしかすると、「生活残業」(生活のために残業代を稼ぐためにする残業)をしているかもしれません。

特にここ数十年で日本人の平均年収は下がっていますから、「背に腹は変えられない」場合もあることでしょう。

しかし実際には、生活残業などをするよりも、今の仕事を早く終えて、もっとたくさんの仕事を受けられるようにしたり、もっと質の高い仕事をしたり、余った時間を自己研鑽に充てたりするようにしたほうが、結局のところ会社の評価も高まり、昇進して報酬も上がるはずです。

それなのに、生活残業という短期視点しか持てないのは、そういう長期の見通しができていないからでしょう。しかし、それもまた上司の仕事です。

「生活残業」をしているメンバーには、どういう力を身に付け、成果を出せば報酬が上がるのかという長期的な展望を見せてあげてください。

それができれば、本来やりたくもないはずの生活残業など、誰もしなくなるのではないでしょうか。

グラフィックファシリテーター®やまざきゆにこ=イラスト・監修
曽和利光さんとリクルート時代の同期。組織のモヤモヤを描き続けて、ありたい未来を絵筆で支援した数は400超。www.graphic-facilitation.jp


曽和利光=文

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