「モヤモヤ り〜だぁ〜ず」とは……
本日の相談者:39歳、IT関連企業
「私の部門に配属された新入社員ですが、いまだ直接会ったことがありません。コロナ禍でわが社もオンライン採用になり、入社式および新卒向け研修もリモートになっています。
ビジネスチャットで日々のやりとりはしているのですが、本人の意向や特性がいまいちわからず、どう声をかけていいかわかりません。そもそも世代のギャップも感じており、オフラインで話そうなどと言えば時代錯誤と思われないか不安です」
| アドバイスしてくれるのは…… そわっち(曽和利光さん) 1971年生まれ。人材研究所代表取締役社長。リクルート、ライフネット生命保険、オープンハウスにて人事・採用部門の責任者を務めてきた、その道のプロフェッショナル。著書に『人事と採用のセオリー』(ソシム)、『日本のGPAトップ大学生たちはなぜ就活で楽勝できるのか?』(共著・星海社新書)ほか。 |
スキルのある人ほどリモートワーク派
コロナ禍で瞬く間に浸透したオンラインでのリモートワークは、今ある仕事を同じようにするだけであれば、工夫をすれば問題なく遂行できることがわかってきました。
そのために、コロナが落ち着いてきても、そのままリモートワークをし続けたい人はかなり多いようです。実際、リモートワークを全廃して、コロナ以前のように全員出社に戻したというケースを私はほとんど聞いたことがありません。
特に一定のスキルを既に持っていて、ある程度自己完結して仕事ができる人ほど、リモートワークの快適さに慣れてしまって、オフラインには戻りたくないと抵抗している人が多いようです。
新入社員は実はリアルを望んでいる
一方、新入社員の皆さんはどう思っているのでしょうか。
若いZ世代はそもそもデジタルネイティブ、ソーシャルネイティブであり、オンラインでのコミュニケーションが得意。そのため、リモートワーク大賛成! だと思うかもしれませんが、実はそうでもないようです。
株式会社学情の調査によると、入社式や新入社員研修は「リアル」を希望する人が7割を超えました。曰く、「内定式もオンラインで、まだ同期と一度も会ったことがない」「面接がすべてオンラインで、画面越しでしか社員の方とお会いできていない。直接会って話したい」「一緒に研修を乗り越えることで、同期のつながりができると思う」という理由でした。切実な声だと思います。
まずはふつうにオフライン開催を検討する
つまり、相談者のように時代錯誤だと思われそうだからオンラインで新人研修をやるしかないという悩みは杞憂なのです。
オフラインでのコミュニケーションを避けているのはむしろ旧人たちのほうであり、新人たちは対面でのコミュニケーションを望んでいるのです。
もちろん状況によってコロナ対策によるリモート開催が必要であれば別ですが、オフラインで新人研修をすることは、換気や机の配置、アクリルボード等々、物理的な工夫も試行錯誤によって洗練されてきていますし、工夫次第で十分できるでしょう。
ですから、新人への諸施策はオフライン開催をできる限り検討してみてはどうでしょうか。
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