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2022.05.23

ライフ

Z世代の部下がやる気のないように見え、育ってくれるかが不安。であればまず最初にすべきこと


「モヤモヤ り〜だぁ〜ず」とは……

本日の相談者:45歳、金融関連
「Z世代と言われている若手の部下の指導をするときは、ほめて育てたほうが良いと言われました。

できるだけ本人のいいところを見つけて指導するようにしていますが、本人にやる気があるのかないのか、よくわかりません。このままで本当に育つのでしょうか?」。

アドバイスしてくれるのは……

そわっち(曽和利光さん)

1971年生まれ。人材研究所代表取締役社長。リクルート、ライフネット生命保険、オープンハウスにて人事・採用部門の責任者を務めてきた、その道のプロフェッショナル。著書に『人事と採用のセオリー』(ソシム)、『日本のGPAトップ大学生たちはなぜ就活で楽勝できるのか?』(共著・星海社新書)ほか。

「Z世代」だけが特別なのか?

アメリカ生まれの世代名称である「Z世代」は、一般的に1990年半ば〜2010生まれの世代のことを指します。

確かにその特徴として、「ソーシャルネイティブ」「知人・友人やインフルエンサーからの情報への信頼」「社会的意義重視」等々があるようです。

しかし、どれも彼らが生まれ育った環境から類推できるもので、彼らがほかの世代から見て、理解不能な独特の人たちとは思えません。

また、現代社会は全体的に多様化が進んでいるので、「Z世代」に限らず世代よりも個人差のほうが大きいでしょうから、まず目の前の人をきちんと観察してみてはどうでしょうか。


「レッテル貼り」をするから嫌われる

と言うのも、もしご相談者が言うように「本人にやる気がない」のが本当ならば、世代論などによる「レッテル貼り」は、やる気をそぐひとつの原因になりうるからです。

当たり前のことですが、どんな人にも個性があり、それを大事にしています。なのに、自分のことをよく知りもしない人から、「お前たちはやっぱりこうだからな」と、十把一絡げに断定されたら気分がよいものではないでしょう。

人は自分と差異の大きい人たちの認識は解像度が低くなります(欧米人から見てアジア人がなんとなく全体的に似ているように見えるというようなもの)。しかし、そうされたほうは不快ですよね。


難しいけれども「積極的判断保留」を行う



管理職ならば、これをなんとか避ける必要があります。ただ、人はどうしても目の前のことに意味づけをしたくなるもの。自分にとってよくわからない存在は不安を生むからです。

なので、なかなか難しいことではあるのですが、若手の部下が自分にとってどれだけ意味不明な行動をしても、できるだけ積極的に判断を保留してみてください。

世代論のようにわかりやすい(しかし、雑な)理論にすがって、自分の不安な気持ちを満たそうとすると、よい結果にはなりません。

マネジメントの基本は「ケース・バイ・ケース」です。「ほめたほうがいい」というのも誰にも当てはまるわけではありませんし、「どこをほめればうれしいのか」も人によって違うことでしょう。

このようにまずはレッテル貼りの誘惑から逃れて、目の前の若手を一人の個性的な人として観察し、特徴を捉えることから始めてはどうでしょうか。


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