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2020.11.20

からだ

体の不調を改善する「筋膜リリース」とは? プロに聞く、筋肉を緩めるための正しい知識

特に人間ドッグに引っ掛かったわけではないものの、肩はガチガチ、腰も痛いし、足もむくんでパンパン……。それ、もしかしたら筋膜が硬くなっていることが原因かもしれない。
そんな症状を抱える人のために、鍼灸師の滝澤幸一さんに体の不調を和らげる「筋膜リリース」の基本について教えてもらった。
ところで、最近よく聞く「筋膜」って何のことだろう。

話を聞いたのはこの人!

滝澤幸一(たきざわこういち)●鍼灸院「ソル・エ・マーレ」院長。鍼灸と筋膜リリースを組み合わせた独自の手技に定評がある。スカッシュ日本代表トレーナー、日本オリンピック協会強化スタッフなどを務めた経験を持つ。『痛みとコリがラクになる1日1分筋膜リリース』(マイナビ)など著書も多数。

不調を改善したいなら筋膜を解き放て!

筋膜は第2の骨格とも呼ばれていて、これがないと、立っていることも姿勢を作ることもできないらしい。
「簡単に言うと、筋膜は全身に張りめぐらされた膜。解剖学的に言えば皮膚と脂肪、脂肪と筋肉、筋肉と骨、筋肉と筋肉の間など、あらゆるところに存在していて、それぞれの動きを連動させたり、張力によって骨を支えたりしているのです」。
この筋膜。同じ姿勢を取り続けていたり、トレーニングをしすぎたりすると、動きが鈍くなり、やがて癒着してしまう。癒着した筋膜は硬くて、伸びが悪くて……まるで古くなったゴムバンドのようになってしまうという。
「各部位をスムーズに動かすための滑走性が損なわれるので、動きにくくなったり、可動域が狭くなったりします。その状態を放置しておくと、慢性的な肩こりや腰痛の要因になるのです」。
この筋膜を緩め、不調を改善するための有効な手段が「筋膜リリース」なのだ。
 

マッサージともストレッチとも違う! “圧”で緩めるのが正解

©︎Boris Jovanovic/iStock
筋膜リリースは、マッサージのようにゴリゴリ刺激を与えたり、ストレッチのように無理に伸ばすが必要ない。
筋膜を緩めるのは、実は簡単。一定時間“圧”を加えていけばいいのだ。
「もちろんマッサージやストレッチにも、筋膜を緩める効果はあります。ただ、マッサージの場合、強い刺激を与えすぎると、もみ返しのように逆に硬くなる可能性がある。
また、筋膜が硬い状態のままストレッチをしても、筋肉をしっかり伸縮させることができないし、ひどい人だと体が硬くなっていたり、痛みがあったりで、ポーズを取れないこともある。むしろ、筋膜リリースを行ったあとにストレッチをするのが効率的です」。
筋膜リリースは、フォームローラーと呼ばれる筒型のアイテムを体に当て、じわじわと体重を使って圧をかけていくだけ。テレビを見ながらでもできちゃうってワケだ。


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