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大迫選手の脚運びをお手本に!

では、シンスプリントに悩む大学駅伝チームの選手たちに、新田さんはどのようなコーチングを行ったのだろうか?
「ピョンピョン弾むような走り方を身に付ける。そのためのメニューを組みました。いわゆるフォアフット(前足部着地)で走るためのトレーニングです。足裏の前側で着地し、そのままカカトをほとんど地面に着けずに前足部で地面をパーンと叩くようにして脚を蹴り出す。これができると、腱という硬い繊維の塊のような部位を“バネ”がわりにして走ることができる。そうすることで無駄に筋肉を使わずに済むんです。これが結果的にシンスプリントの予防にもなり、走るスピードも上がります」。
一般的に、アフリカのマラソン選手の多くはフォアフット走法、日本選手の多くはヒールストライク走法といわれている。しかし近年、大迫傑選手をはじめとした日本のトップ選手の多くがフォアフット走法を取り入れている。
「時短という観点からいうと、フォアフット走法を身に付けるには、自走式のトレッドミルを使うのがおすすめです。傾斜のついた走行面を走ることで自然と前足部着地になる。その感覚を覚えるだけで、完璧とはいかないまでもフォアフットに走り方ができるようになります。それこそ、大迫選手みたいな着地や蹴り出しができたら完璧なんですけどね」。
時短高負荷
自走式のトレッドミルの、傾斜がついた部分に着地をすることを意識して走ることで、自然とフォアフットで着地できるようになる。
時短高負荷
フォアフット走法は、足首の角度を変えずに前足部で地面を叩くようなイメージで、パンパンとリズミカルに脚を動かす。
時短高負荷
スピードが遅くなるとカカト着地になる。すると地面からの衝撃が体にダイレクトに伝わるため、シンスプリントどころか、体のあちこちに痛みのトラブルが発生することに……。
ちなみに、新田さんがコーチングしている大学駅伝チームの場合、屋外トレーニングがメインなので、膝を曲げずに腕を前後に大きく振って、その反動を使ってジャンプしながら前へと進んでいく「スティッキング」というトレーニングやなわとびも行ったという。
「屋外で手軽に時短で、というならなわとびがイチ押しかな。ただし、着地のときに膝をできるだけ曲げずに続けるのがポイントです。フォアフット走法ができれば、足関節のストレスを減らせる。だから、シンスプリントだけではなく、膝や足首の痛みも防げますよ」。
「ジタンコウフカのススメ」
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【取材協力】
ハイアルチ 吉祥寺スタジオ
住所:東京都武蔵野市吉祥寺東町1-17-18
電話番号:0422-22-7885
営業:10:00~22:00(平日)、10:00~19:00(土・日・祝)
http://high-alti.jp/
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楠田圭子=取材・文 渡邊明音=写真


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