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優れたルックスと機能性で天才芸術家も愛用

佐野さん
「コストパフォーマンスが良いため、フランスでは複数所有しているのが当たり前のようです」。
——ピカソが愛用したと伝えられていますが?
鉛筆削りに使っていたと聞いています。また、一部の彫刻でも用いたとか。海外ではナイフが身近なんです。特に「オピネル」は手に入れやすいプライスと可愛らしいデザインで愛され、もはや日用品レベルのようです。
ステンレススチール オリーブウッド
「ステンレススチール #8」2860円
——日本のキャンプシーンに適しているモデルはなんでしょう?
錆びにくく切れ味バツグン、メンテナンスの手間が少ないステンレスナイフが良いでしょう。サイズはブレード長約85mmの#8が万能。刃物の扱いに慣れていない人にもオススメできます。
——愛用するうえで、注意点はありますか?
とても多くのお問い合せを頂く“油漬け”について。本来はヒンジ部分の可動を改善したり、木製の柄に防水性を持たせたりするためのカスタムなのですが、「オピネル」には不要です。むしろ、柄が膨張し、刃の出し入れを妨げる恐れ大。推奨できません。また、ふだんから無意味に持ち歩くのはNG。銃刀法や軽犯罪法に触れるので気をつけてくださいね。
油漬け
「油漬けのためにセーフティリングを外してしまう人が。絶対にオススメできないアクションです」。
——メンテナンスはどのように?
基本的にあまり気を使わなくて問題ないですが、保管は水気を取り、なるべくドライな場所で。乾いた後、刃とリングにオイルをさすのもポイントです。本国の担当者は食品に使用される油を推奨しています。丈夫なステンレスナイフとはいえ、経年変化は避けられません。刃が欠けたり、極端に切れ味が下がったりしたら買い替えのご検討を。

ステンレスナイフのメンテナンスのコツ

●ポイント1「あまり切れないと感じたらシャープナーで回復」
シャープナー
シャープナー(1320円)を15度~20度の角度でブレードに当て、数回砥ぐと一時的に切れ味が回復する。年中砥がないとダメなようなら買い替え時かも。
 
●ポイント2「刃が出にくくなったら、柄を軽く打ちつけて」

対処法
開きにくくなったブレードを強引に引き出すのは危険なうえ、破損も招きやすい。原因は砂や埃詰まりがほとんどなので、グリップを固いところに数回打ちつけて落としてしまえば改善される。意外な対処法だが、本国でも推奨されている手段だそう。
アウトドア文化が根付き、ナイフに抵抗の少ないアメリカとヨーロッパでは、生活必需品級に浸透している「オピネル」。日本でもキャンプ人口の増加により、グングン注目度を高めている。
ビギナーから玄人まで満足できること請け合いの折り畳みナイフ。さまざまなシーンで活躍するから、外遊び愛好家なら一本は持っていたいものだ。
【取材協力】
ハイマウント
03-3667-4545

Hiroyuki Yamada=写真 金井幸男=取材・文


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