2020.10.04
HEALTH

「8時間食事術」って何? 中年太り医師が好きに食べて-16kgダイエットした方法

好きなものを好きなだけ食べたいが、太りたくはない――そんな永遠のパラドックスを、ついに乗り越える日がやってきたかもしれない。

1日8時間のあいだであれば何を食べてもいいという「8時間食事術」である。

自らこの方法を考案し、半年間でマイナス16kgの減量を成功させたという、医学博士の青木 厚先生に話を聞いた。

青木 厚(あおきあつし)●あおき内科さいたま糖尿病クリニック院長、医学博士、日本糖尿病学会専門医・指導医、日本内分泌学会専門医。専門の内分泌代謝の知識を活かして日本ではあまり認知されていない、栄養・代謝によるがん治療・がん予防をライフワークとしている。著書に『「空腹」こそ最強のクスリ』(アスコム刊)。

制限時間は8時間。好きなものをいくら食べてもOK

「8時間食事術」のやり方はいたってシンプル。1日の食事をすべて8時間以内に済ませるだけだ。

「カロリー制限や糖質制限などのダイエットは、みなさんなかなか続かないんですよね。一時的に痩せたとしても、すぐにリバウンドしてしまう。やはり我慢しすぎると欲望がどこかで爆発してしまうんですよ。決めた時間は好きなものを食べて、そのあとの食べない時間に主眼を置くのが、8時間食事術です」。

このダイエット法は、8時間以内なら好きなものをいくらでも食べられるというのが最大の特徴。これならストレスなく続けられそうだが、その食べてもいい8時間は何時から何時までに設定すればいいのだろうか。

「効果を早く出そうと思うなら、人間の体内時計を考えると朝8時から夕方4時までにすべての食事を摂り終えるのがいちばん良いです。でも、我々働く世代には不可能ですよね? それぞれのライフスタイルに合った時間配分を見つけて、とにかく16時間の空腹の時間を作ることが大切です」。

ものを食べない時間を長く確保するほど、血液中の糖質や脂質が減り、血液や血管の状態も改善され、体内の余計な脂肪は分解され、エネルギーとなる。

特に、ポッコリお腹の一因であり、さまざまな悪玉ホルモンを分泌する内臓脂肪も落ちやすく、これらの効果は医学論文などでも証明されているという。

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「8時間」の時間配分、オススメのスケジュール

「働く世代へおすすめしたいのは、朝食を抜いて、12時から20時までの間にランチとディナーを摂る方法です。これなら16時間の空腹タイムに睡眠時間も含まれるので、生活に取り入れやすいですよね。僕もこの時間配分で現在も続けています」。

青木先生はかつて小太り中年体型だったとは思えないほど、スリムな体型を維持し続けている。「8時間食事術」以外に、別のダイエット法を実践しているワケではないというのだから驚きである。

ところで、晩酌は大人の楽しみのひとつだが、飲酒についてはどうなのか。

「もちろんその8時間以内ならお酒を飲んでも大丈夫です! 好きにやっちゃってください。ただし、16時間の空腹タイムはなるべくカロリーゼロを目指しましょう。飲み物もジュースなどは避けて、水やお茶で乗り切りましょう。コーヒーもOKです。僕は朝食をコーヒーにしています。朝の空腹も紛れますからね」。

ダイエットの基本は我慢比べ。禁欲との戦いの連続である。しかし、この食事術はちょっと違う。

許された8時間という自由時間のなかで、何をどう食べようか。そう考えるだけで、空白の16時間、ならぬ空腹の16時間だってワクワクしてくるではないか。

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ナッツとヨーグルトは空腹レスキュー隊

とはいえ、16時間のあいだ何も食べてはいけないと思えば、ちょっと口寂しくなってしまいそうだ。そこは青木先生も鬼ではないようで、「ナッツとヨーグルトは食べても大丈夫です」とありがたいお言葉も。

「ナッツってスーパーフードなんですよ。『The New England Journal of Medicine』という医学雑誌に“ナッツを習慣的に食べている人は、食べていない人と比べて20%死亡率が減る”という研究データが掲載されました。

さらに、ナッツに含まれる不飽和脂肪酸は、血中の中性脂肪やコレステロール値を下げたり、悪玉コレステロールを減らす効果もありダイエットにも健康にも良いんです。塩分を含んでいない素焼きのナッツをレスキュー的に摂取しましょう」。

ちなみに、ナッツであれば、どれでも同じような効果が期待できるという医学論文もあるそうだ。

「ナッツが苦手な人はヨーグルトをレスキュー隊にしてください。少量でも空腹感が和らいで、体に必要な栄養素を補給できて腹持ちもいいですから。でも効果をしっかり出すには、レスキュー隊の出動を減らしていくことが理想ですね」。

空腹の時間が12〜14時間程度でも、体内の脂肪は燃焼し始めるので、最初は無理をしなくていいと青木先生は言う。8時間以内の食事が難しければ10時間からのスタートでもいいし、毎日が厳しければ、週に何日か実践するだけでも効果はあるそうだ。

「最初の1カ月は空腹の時間が辛かったり、食べてもいい8時間の間に必要以上にドカ食いしてしまったりするかもしれません。でも次第に慣れてきますし、続ければ必ず結果が出ます。我慢しすぎず、まずは無理なくできる範囲で試してみてください」。

勘のいい人はお気付きかもしれないが、この「8時間食事術」は、16時間の「ファスティング」をすることが成功の秘訣なのだ。これを「間欠的ファスティング」というそうで、脂肪を燃やすだけでなく、体の内側から若返り、病気や老化を遠ざける効果もあるのだとか。

世界でも注目を集めているこのファスティング方法、さらなる詳細は後半で

 

七瀬あい=取材・文

# ダイエット# 食事術
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