ひとまとめにズボンといっても、その種類は様々ですよね。多種多様にあるズボンのかたちなど、実はよくわからないと思っている人は多いのではないでしょうか。
そこで今回は
- パンツとボトムスの違いとは?
- これだけは押さえておきたい!メンズ向けパンツの形22種類
- 質感や機能性で差をつける!パンツの生地の8種類
- 履き心地が変わる!パンツの素材9種類
- まとめ
について紹介していきます。
シルエットの違いはさることながら、素材の違いでも印象はかなり変わってくるので参考にしていただいてコーデの幅を広げてください。
パンツとボトムスの違いとは?
パンツとボトムスの明確な違いをご存知ですか?
ボトムスとは下半身に着用する衣類全般を表す言葉です。パンツのみならず、スカートやタイツなどを含めてボトムスといいます。そしてパンツとは足を片方ずつ包む二股に別れた衣類のことです。
つまり大分類ボトムスの中の、中分類パンツということになります。
これだけは押さえておきたい!メンズ向けパンツの形22種類
「新しくパンツの購入を考えているけど種類がたくさんありすぎてよくわからない。」
「街で見かけたあのパンツが欲しいけど名称がわからない。」
と悩んだことはありませんか?
そこで基本的なメンズパンツを22種類紹介していきます。
ジーンズ
デニムパンツやジーパンとも呼ばれることがありますが、デニム生地で作られたカジュアルなズボンのことです。
元々は炭鉱で作業する鉱夫のワークパンツでした。そのため汚れが目立ちにくく、生地もしっかりしているものが多いのが特徴です。カジュアルなコーデになるので、アクティブに活動する休日などに適しています。
スラックス
スラックスとはジャケットなどに合わせられるフォーマルなズボンです。
きれいめな印象のウール素材のものから、カジュアルな印象のコットンのものまであります。
「ゆるい」という意味の「slack」が語源とされています。センタープレスが入った上品なデザインのものが多いのも特徴です。ビジネスシーンなどのきれいめコーデに適しています。
チノパン
チノパンとはチノクロスという生地で作られたズボンのことです。元々、軍服に使われていた生地であり、ベージュやカーキなどのアースカラーのものが多いのも特徴です。
カジュアルな印象が強いですが、ジャケットとかにも合わせやすく幅広いシーンで活躍します。
カーゴパンツ
カーゴパンツとは両脚の側面に大型のポケットがついた少しゆったりしたシルエットのズボンです。
元々は、カーゴシップ(貨物船)の作業員が履いていたワークパンツでした。後に軍用として転用されたため、現在ではミリタリー色が強いアイテムになっています。
イージーパンツ
イージーパンツとはウエストがゴムになっていたり、紐で調節できるようになっていたりする楽に履けるズボンです。
少し前までは部屋着的なイメージが強かったですが今では街中でも多く見かけるようになりました。股上が深くゆったりしたものが多いのも特徴です。
アクティブな雰囲気が出るのでスポーティなコーデに活躍できます。
ジョガーパンツ
ジョガーパンツとは裾にゴムやリブが入ったジョギング用のズボンのことです。
英語でジョギングする人という意味のジョガーが示す通りジョギングするときのズボンとして開発されたものが、今ではお洒落の一部として取り入れられたようです。動きやすいものが多いので軽い運動時や、アクティブに活動したい休日などのコーデにおすすめします。
オーバーオール
オーバーオールとは肩紐のあるつりズボン型のつなぎのことです。上半身は胸当てと背中部分に布があり肩紐で吊って着用するもののことをいいます。もともと作業服として作られたので、ゆったりとしたデザインで生地も丈夫なデニムのものが多いのも特徴です。
クライミングパンツ
クライミングパンツとは登山に適したデザインのズボンです。
元々登山用として作られたものなので、開脚がしやすく片手でウエストを焼成できるものが多いのも特徴です。
厚手のコットンなどの耐久性のある素材のものが多いですが、最近ではデニムやコーデュロイなども増え、タウンユースとしても人気が高まっています。
ガウチョパンツ
ガウチョパンツとは裾の広がりがゆるやかな七分丈のズボンのことです。
元々は南米のカウボーイ(ガウチョ)が着用していたものがルーツとなっています。HラインやAラインシルエットになるようにトップスのアイテムを選択するとカジュアルでリラックスした印象のコーデになります。
ペインターパンツ
ペインターパンツとはハンマーを吊るすためのハンマーループや筆などを収容するためのツールポケットがついているズボンのことです。
元々は画家やペンキ職人が作業する時に着用していたワークパンツでした。作業しやすいように大きめのシルエットで、丈夫な生地のものが多いのも特徴です。ゆるっとした印象で、きれいめよりカジュアルなコーデに仕上がります。
バギーパンツ
バギーパンツとはワイドパンツの一種で裾まで太いシルエットのズボンです。元々は、「だぶだぶした、袋のような」という語源のバギーから派生しています。ゆったりとしたシルエットなのでトップスをタックインしたり短めの丈のアイテムと合わせたりするとバランスよく仕上がるのでおすすめです。
トラックパンツ
トラックパンツとは陸上競技用に作られたジャージやスウェット素材のズボンです。
サイドにラインが入ったものがよく知られています。軽い運動時に最適なアイテムですが、街中で着用するならきれいめなアイテムと合わせてあえてバランスを崩すのもおすすめです。
サルエルパンツ
サルエルパンツとは股上が深くゆとりがあり、裾にむかって細くなっている形のズボンです。
日本では「アラジンパンツ」とも呼ばれています。イスラムの民族衣装である「サルール」が由来で、エスニックファッションの代表的なアイテムです。締めつけ感が少なく体型がカバーできるデザインとなっているため、周りと違う個性的な印象のコーデに仕上げることができます。
フレアパンツ
フレアパンツとは膝から裾にかけて幅が広くなっていくシルエットのズボンです。膝下を長くみせる視覚効果があるため、身長が高くみえる効果があります。裾の広がり具合で、ベルボトム、ブーツカット、シューカットと名称の違いがありますがそれらを総称してフレアパンツといいます。
シェフパンツ
シェフパンツとは料理人が厨房の中で着用していたワークパンツです。
ウエストがゴム仕様になっていてストレスを感じにくいゆったりとした太さになっています。作業着がルーツのシェフパンツですが、ワイドなのにテーパードがきいたシルエットなのでカジュアルからきれいめまで幅広いシーンで活躍するアイテムとして注目を浴びています。
テーパードパンツ
テーパードパンツとは腰回りはゆったりとしていて裾に向かって細くなっているシルエットのズボンです。
「テーパード=次第に細くなる」という名前の通り裾にいくにつれて細くなっていく形は脚長効果やスタイルアップ効果が期待できます。
メンズファッションの定番的アイテムなので多種多様なテーパードパンツが出回っています。
選ぶ時はシルエットに注目してみてください。カジュアルに装いたい時はワイドシルエットなものを、大人っぽいきれいめに装いたい時は細身なものを選ぶといいでしょう。
スキニー
スキニーとは脚のラインに沿ってぴったりフィットする細身のズボンです。
タイトで細身なシルエットが特徴的なアイテムなので脚のラインが引き締まりスタイルよく見せる効果があります。
素材によって印象がかわりますのでカジュアルに仕上げたいならジーンズを、上品にきれいめなコーデに仕上げたいならチノパンを選択すると良いでしょう。
スリムパンツ
スリムパンツは細身のシルエットが特徴のズボンです。
同じ細身のズボンであるスキニーとの違いはその細さにあり、スリムパンツよりスキニーの方がより細いシルエットになっています。大きめのトップスで全体のバランスを考えながらコーデに取り入れると脚が長くスタイルよく見えるのでおすすめです。
ストレートパンツ
ストレートパンツは膝から裾までまっすぐなシルエットのズボンです。
カジュアルにもフォーマルにも幅広く取り入れられていてパンツアイテムの定番の形になっています。シルエットと丈のバランスが重要なので細めのストレートパンツの場合はアンクル丈くらいの短めで、太めの場合は少し長めくらいで調整するといいでしょう。
ワイドパンツ
ワイドパンツは全体的に幅の広いズボンの総称です。
腰から下まで真っ直ぐなストレートタイプと裾に向かって少し細くなっているテーパードタイプとがあります。カジュアルな雰囲気の中でもきれいめに仕上げたい時はテーパードタイプを選択するといいでしょう。
ショートパンツ
ショートパンツは膝上くらいの長さの丈が短いズボンです。
膝丈くらいの長さのものはハーフパンツといわれることもあります。春夏のファッションで活躍するショートパンツですが、子供っぽくならないためにはシンプルなデザインで落ち着いた色味のものを選択するといいでしょう。
クロップドパンツ
クロップドパンツは6〜8分丈くらいの長さのズボンです。
「クロップ=切り落とす」といった意味をもちカジュアルな雰囲気で足元に軽やかさや抜け感を出すことができます。カジュアルな雰囲気になりますので大人っぽく演出したい時はセンタープレスが入ったものや少し長めのものを選ぶといいでしょう。
アンクルパンツ
アンクルパンツは9分丈くらいの長さのズボンです。
「アンクル=くるぶし、足首」といった意味をもち、足首がみえるくらいの長さのズボンをアンクルパンツといいます。足首が見えることで軽やかさやこなれ感が演出でき、スラッとしたお洒落な印象がプラスされます。
フルレングスパンツ
フルレングスパンツは足首まですっぽりと隠れるくらいの長さのズボンです。生地をたくさん使っているので上品な印象でリッチでエレガントな雰囲気があります。きれいめできちんと感を出したいビジネスシーンなどにおすすめです。
質感や機能性で差をつける!パンツの生地の8種類
同じ形のパンツでも生地が違うと印象もかなり変わってくるものです。
着用するシーンや目的によっても生地の質感は大切になりますので、代表的な8種類の生地を紹介していきます。
それぞれの質感や機能性などについても紹介しますので、参考にしてみてください。
デニム
デニムとはインディゴ染料で染めたタテ糸と染色をしていないヨコ糸を使用した肉厚の綾織りの生地です。非常に丈夫で長持ちする生地で、劣化と感じる色落ちも風合いを楽しむ愛好者が多くいます。
ジーンズやオーバーオールなどによく使われています。
チノクロス
チノクロスは綿素材を使用した丈夫な綾織の生地です。丈夫で耐久性があり、古くから軍服や作業服などによく使われています。肌触りや着心地が良いのが特徴です。主にチノパンの素材として使われています。
コーデュロイ
コーデュロイとはパイル織物の一種で綿を縦織りにビロード織りしたものです。
縦に走るうねが特徴でコールテンとも呼ばれています。独特の光沢感がある素材で保温性が高いので秋冬のファッションアイテムによく使われています。
ニット
ニットは1本の糸をループ状に編んで作られた記事のことです。
タテとヨコの糸で構成される織物と比べて、伸縮性が良くシワになりにくいのが特徴です。保温性に優れていて、履き心地もいいのでルームウエアなどのイージーパンツによく使われています。
スウェット
スウェットは綿を平編みにしたニット生地のことです。表地と裏地で質感が異なる二重構造生地になっています。
伸縮性に優れていて、頑丈で汗を吸収しやすいのも特徴です。イージーパンツやジョガーパンツなどのスポーツウェアによく使われています。
パイル
パイルとは生地の片面または両面に丸いループ状の糸が織りだしてある生地のことです。この丸いループ状の糸のことを英語で「パイル(pile)」と呼ぶのが由来になっています。肌触りが柔らかく、吸水性、保温性が高いのも特徴です。ショートパンツなどのルームウェアによく使われています。
メッシュ
メッシュ生地とは生地の表面にたくさんの穴が開いている生地のことです。網目状に織られているため、風通しが良く、通気性に優れているのも特徴です。伸縮性や吸水性もあるので、アウトドアウェアやスポーツウェアによく使われています。
シアサッカー
シアサッカーとはタテ糸を強く張ったものと弱く張ったものを交互に織って作られた生地のことです。生地の表面に独特の凹凸があり、肌との接地面積が少ないため清涼感や通気性に優れています。シワになりにくく、カジュアルからフォーマルまで幅広いシーンで使える素材です。
履き心地が変わる!パンツの素材9種類
生地や素材の違いは見た目の質感だけでなく、履き心地も変わるものです。天然繊維と化学繊維とではその伸縮性も手触りも違ってきます。
そこで代表的な素材を9種類紹介しますので、パンツ選びの参考にしてみてください。
ナイロン
ナイロンとは石油を原料とするポリアミドと呼ばれる合成樹脂から作られた合成繊維です。耐久性や強度に優れていてシワになりにくく、速乾性にも優れています。軽い履き心地で発色性に優れているためアウトドアウェアに使われることが多いです。
ポリエステル
ポリエステルとは石油など科学的に合成された原料のみから作られる合成繊維です。ナイロンよりも衝撃に強く、形状記憶性があるので選択しても形が崩れにくいメリットがあります。
ポリウレタン
ポリウレタンとはポリウレタン繊維を紡いで作られた合成繊維です。
防水性、防汚性に優れています。伸縮性や弾性(力によって変形したものがもとの形に戻ろうとする性質)が高いため、シワになりにくく動きやすいのも特徴です。ポリウレタン100%で使われることはなく、主にストレッチ性を高めるためにコットンなどと混紡されて使用されています。
レーヨン
レーヨンは、綿などの天然素材を原料とした再生繊維(天然素材の繊維を化学処理によって溶かして再び紡いだ繊維)の一種です。絹に似た光沢や手触りがあります。
コットン
コットンとは綿の種子からとれる繊維のことです。吸湿性があり、耐久性に優れています。天然素材のため肌触りも良いのも特徴です。シワになりやすい素材ではありますが、その汎用性の高さからビジネスシーンからカジュアルまで様々な用途で幅広く使用されています。
リネン
リネンとは亜麻の茎からとれる繊維のことです。吸湿性が高く、耐久性にも優れています。コットンと同様に天然素材なので肌触りが良いのも特徴です。コットンよりもシワになりにくく速乾性があるため、春夏のファッションに使用されています。
ウール
ウールとは羊の毛を原料とした動物繊維のことです。保温性や吸湿性に優れていて秋冬のファッションに多く使用されています。弾力性や防臭性があるのも特徴です。厚手で温かみがある生地なので、身につけるだけで季節感がある上品な着こなしになります。
バンブー
バンブー生地とは竹の繊維を原料とした生地のことです。吸湿性が高く抗菌、防臭性にも優れています。
竹の繊維を溶かして再び紡いで作られたバンブーレーヨンと、竹の繊維を直接紡いで作られたバンブーリネンとがあります。バンブーレーヨンは滑らかで光沢感があり、バンブーリネンはザラッとした質感があるのが特徴です。
テンセル
テンセルとはユーカリの木材パルプを原料とした再生繊維の一種です。ユーカリの木は成長が早く、環境に優しい繊維として注目されています。再生繊維の中でも特に吸湿性や肌触りに優れているのが特徴です。
シルクのような光沢感があり上品できれいめのパンツに多く使われています。
まとめ
メンズのワードローブの基本になるパンツですが、種類が多くてすべてを理解できていない人も多いのではないでしょうか。
今回はそんなメンズパンツの種類の違いや、素材の違いによる印象の違いについて紹介してきました。
コーデに取り入れるための一本を選ぶ際にぜひ参考にしてみてください。