今回は、今おすすめしたい「ローファー」をご紹介していきます。
気温が下がり、様々なファッションを楽しみたい季節になってきました。
コーディネートにあわせて足元には革靴を、と思っているひとも多いと思いますが、種類も多くて迷ってしまいますよね。そこで、今回は男女問わず人気の「ローファー」のおすすめモデルを紹介します。
あらゆるメーカーのなかから代表的なモデルもご紹介しているので、これを読めば自分にぴったりのローファーがみつかりますよ!
ローファーとはどんな靴?
そもそもローファーとは、靴紐がついていない革靴のことを指します。その言葉の意味は「怠け者」だそうで、靴紐がないぶん他の靴よりも着脱が楽なので、この名前がついたとか。
元々は1920年代ごろにイギリスの王室や貴族達のルームシューズとして広がり、その後外履きとしても人気になりました。
その人気は海を越えアメリカに渡り、さらに日本にやってきます。
1960年代に流行したアイビールックが、ローファー人気が広がるきっかけになったのです。ちなみに、同じように靴紐がない靴に「スリッポン」があります。革だけでなく布製のものもあり装飾がほぼないスリッポンに対して、ローファーは革靴でフリンジや飾り金具といった装飾が甲の部分に施され、よりフォーマルな印象であるのが違いです。
ローファーの魅力とは?
そんなローファーの魅力は、上品さとカジュアルな雰囲気の絶妙なバランスにあります。
スニーカーよりはきちんと感があり、パンプスよりはカジュアルに、そんな「ちょうどいい」ところでキマるのがローファーです。
例えば、日中は仕事で取引先と会うのでしっかり感を出したい、でも夜はデートなのでちょっとくずした感じもほしいし、着脱が楽な方がいい。そんなワガママな要望にも一足で答えてくれるのが、ローファーなのです。
ローファーの種類
ローファーの種類は様々です。ここからはローファーの種類について解説していきます。
ローファーは、主に「甲のデザインの違い」で種類が分けられています。
甲のデザインは靴にとっては「顔」とも言える重要な部分。どの種類を選ぶかで印象はガラッと変わるはずです。
デザインの違いを知って、自分のコーディネートに合うローファーを見つけましょう!
コインローファー
まずは、最も定番と言えるコインローファーです。
甲の部分に切れ込みを入れた装飾が施されており、アメリカの学生が切り込み部分にコインを挟んだことから「コインローファー」と呼ばれるようになりました。別名「ペニーローファー」とも言われます。
多くのブランドから展開されており、ローファーのなかでも最もシンプルでオーソドックスなタイプです。どんなコーディネートにも合わせやすく、初めてローファーを買う人にもオススメ。オンでもオフでも使いやすいため、一足持っておくと便利です。
タッセルローファー
甲の部分にタッセルと言われる特徴的な飾りがついたローファーです。
靴紐がなくラフな印象を与えがちなローファーのなかでも、最もドレス感の強いデザインと言えます。コインローファーよりも上品に、でも着脱は楽なほうがいい!という方にオススメです。フォーマルなコーディネートに合うローファーです。
ビットローファー
甲の部分に、金具の装飾がついたものをビットローファーと呼びます。
金具は馬具の形を模した「ホースビット」と言われています。
ビットローファーは1953年にあの「GUCCI」が発表したのがオリジナルです。元々は女性用のバッグに使用されていたホースビットを取り入れ、話題になりました。ローファーのなかでもカジュアルな印象が強く、ビジネスシーンではおすすめできませんが、私服のなかにアクセントをつけて楽しみたい場合はぴったりです。足元にインパクトを与えつつ、着脱は楽。そんな一足です。
ヴァンプローファー
今まで紹介したローファーとは違い、甲に装飾のないものを「ヴァンプローファー」と呼びます。
モカシン縫いのみのシンプルなデザインで、服装を選ばず履きやすいのが特徴。1950年代に学生の間で流行した理由は、あらゆるコーディネートに合わせやすく、且つ着脱が楽でリラックスできる、というのが大きな要因だったようです。ただカジュアル過ぎる印象にはなるので、フォーマルなシーンには向いていません。シンプルな分、トップスやボトムにインパクトのあるアイテムをもってくれば、バランスが取りやすいでしょう。
ローファーのおすすめブランド28選
次にローファーのおすすめブランドをご紹介します。
いざ欲しい種類のローファーが決まっても、あらゆるブランドからローファーは発売されており、実際にどれを買えばいいか迷いますよね?ここではおすすめのブランドを、その特徴やコンセプトと共にご紹介します。
似ているように見えて、各ブランドの特色はそれぞれ違います。それがわかれば、お気に入りの1足がきっと見つかるはずです。
リーガル(REGAL)
「REGAL」は日本のシューズブランドです。元々はアメリカのシューズブランドでしたが、1961年に日本製靴株式会社(現リーガルコーポレーション)がブラウン社とライセンス契約を結び、「REGAL」ブランドの靴の生産・販売をスタートさせました。
主力商品はドレスシューズで、国内生産の比率が高く、メイド・イン・ジャパンの品質が強みです。幅広い世代に認知されているので、知っている方も多いブランドなのではないでしょうか。
コールハーン(ColeHaan)
「コールハーン(ColeHaan)」は、1928年にアメリカのシカゴで創業したブランドです。
元々は紳士靴のみの展開でしたが、現在ではメンズ・ウィメンズの革靴やスニーカー、バッグやアパレルも取り扱う、ファッションブランドに成長しました。コンセプトは「モダン・アーチザン」で、職人的な技術とモダンな要素を組み合わせてつくられた靴のクオリティは高く、世界中で人気があります。
オールデン(ALDEN)
「オールデン(ALDEN)」は1884年にアメリカのマサチューセッツ州で創業したブランドです。
元々はカスタムメイドのブーツや受注生産による紳士靴を販売していましたが、1948年に世界で初めてタッセルローファーを作ったことで有名になりました。
最高品質の素材で作られた紳士用の革靴だけでなく、問題の足にもフィットする、均整回復のためのシューズも手掛けています。高級セレクトショップや百貨店で主に販売されているブランドです。
ジョンロブ(JOHN LOBB)
「ジョンロブ(JOHN LOBB)」はイギリスの高級革靴ブランドです。1866年、ジョン・ロブ氏によって創業されました。
最高級の素材を使用した履き心地の良さが特徴ですが、デザインもフランス靴のエレガンスさを取り入れており、イギリス靴の質実剛健さとのミックスが人気の理由でもあります。長らくオーダーメイド専門のブランドでしたが、1976年にエルメスの傘下に入り、既成靴ブランドとしても人気を博しています。
バーウィック(Berwick)
「バーウィック(Berwick)」は1991年にスペインで創業した、比較的新しいブランドです。
なんといっても特徴はその高いコストパフォーマンス。靴職人の手仕事と最新鋭の機械による効率的な製造方法によって、良心的な価格で高品質な革靴を製造しており、近年注目を集めています。
デザインも、イギリスのクラシカルなテイストと、イタリアやフランスの色気を融合した、スペインらしいバランス感覚が特徴で、幅広い年齢の人が楽しめるものになっています。
ジャランスリウァヤ(JalanSriwijaya)
「ジャランスリウァヤ(JalanSriwijaya)」も、高いコストパフォーマンスが魅力のブランドです。
2003年にインドネシアで創業したブランドで、インドネシア、というのが意外かもしれませんが、これはインドネシアがオランダの植民地だったことに関係があります。植民地時代に外国人軍人向けのミリタリーブーツを製造していた工場が、ブランドを立ち上げたのです。欧米の高級ブランドにも引けを取らないクオリティのものを、良心的な価格で提供しており、日本でも人気を博しています。
ドクターマーチン(Dr.Martens)
「ドクターマーチン(Dr.Martens)」と聞くと、ローファーのイメージはないかもしれません。しかし、独特のデザインで人気があります。
元々はイギリスのブランドで、1945年に医師のクラウス・マーチンがドクターマーチンソールを開発し、1960年に最初のモデルを発表しました。8ホールブーツがなんといってもこのブランドの代名詞で、1980年代にはパンクバンドのメンバー達がこぞって愛用しているのが印象的ですが、ローファーも製造しています。耐久性の高さが特徴で、ヘビーに履きつぶしても味があり、長い間履くことができます。
トリッカーズ(Tricker’s)
「トリッカーズ(Tricker’s)」の歴史は古く、1829年にイギリスのノーザンプトンで設立されました。イギリスで最古の靴製造業者です。このメーカーはカントリーブーツで有名で、世界中で人気を博しています。
150年以上の長い歴史を持ちながら、今も創業時と変わらない伝統的な製法で靴作りを続けており、その履き心地は抜群。実際に履いてみれば、このブランドが長年愛され続ける理由がわかるはずです。
三陽山長
打って変わって日本のブランドです。2000年に山長印本舗としてスタートした日本の紳士靴ブランドである「三陽山長」は、2001年に三陽商会が買収し、社名が変わりました。靴だけでなく、カバンや革小物も製造するトータルブランドで、「和」をベースとしたオリジナルのテイストが特徴です。日本の職人によるものづくりとモダンなデザインを融合した「日本人のための革靴」を作り続けています。
パラブーツ(Paraboot)
世界三大靴ブランドの1つとも言われる「パラブーツ(Paraboot)」は、1908年に創業しました。
元々、登山靴や軍用靴の製法を活かした靴を製造していますが、1927年からは天然ラテックスをつかったラバーソールの自社生産を開始しました。ちなみに社名の由来は、その天然ラテックスを輸入する港「Para」と、創業者がアメリカで派遣し着想を得た「ブーツ」を組み合わせたものだそうです。
ハルタ(HARUTA)
日本人なら学生時代にお世話になった方も多いであろう「ハルタ(HARUTA)」は、100年以上の歴史を持つブランドです。1917年に春田製靴店として創業し、戦後の1948年からは子ども靴の生産を開始しました。1957年からはセメント式製法を日本で初めて取り入れたローファーを発表。今も価格が手頃なローファーを販売しており、初めてローファーを手にする人にもオススメのメーカーです。
チャーチ(Church’s)
「チャーチ(Church’s)」はイギリスの高級革靴ブランドで、1873年創業です。
その製品の特徴は、グッドイヤーウェルト製法と言われる、複式縫いの手法で、1足あたりなんと250にも及ぶ工程を経て作られています。
その確かな品質で欧州では知らない人はいないほどのブランドで、映画「007」シリーズでジェームズ・ボンドが履いていたことでも有名です。1999年にプラダグループに入り、現在は同グループの完全子会社となっています。
サンダース(SANDERS)
「サンダース(SANDERS)」はイギリスの歴史あるブランドで、創立は1873年という老舗です。伝統的なグッドイヤーウェルト製法を採用していますが、現在はより効率的な生産のために高度なコンピューター制御を取り入れています。
サンダースはイギリス軍の公式靴を生産しており、耐久性と頑丈さは非常に高い一方で、大量生産が可能な工場をもっているため、コストパフォーマンスにも優れているのが特徴です。
大塚製靴
今度は日本の老舗ブランドをご紹介します。
「大塚製靴」は1872年に創業した日本最古の革靴ブランドです。1882年には皇室御用達として天皇陛下御靴調整を拝命。更にその10年後には万博博覧会で金碑を受賞するなど、まさに日本の革靴ブランドのパイオニア的存在です。
「日本人の足にフィットし、服飾にコーディネートでき、永くご愛用いただける靴づくり」という理念を掲げており、まさにメイド・イン・ジャパンそのものといえる、誇り高いブランドなのです。
ベルルッティ(Berluti)
「ベルルッティ(Berluti)」はイタリア人の靴職人であるアレッサンドロ・ベルッティがフランスのパリで1895年に創業した高級ブランドで、靴のほかにもバッグやベルト、財布などの幅広いアイテムを展開しています。
その高いクオリティはセレブリティ達も魅了し、ケネディ一族やアンディ・ウォーホルといった著名人が愛用していたブランドとしても有名です。デザインに関しても「靴の宝石」と言われるほど美しく、あのピカソもベルッティの靴を高く評価していたと言われています。
クロケット&ジョーンズ(Crockett&Jones)
「クロケット&ジョーンズ(Crockett&Jones)」はイギリスの老舗高級革靴ブランドです。創立は1879年で、チャールズ・ジョーンズとジェームズ・クロケットの二人でつくられました。
世界で最も多くの木型(ラスト)を持つブランドとして知られており、デザインや素材に多くのバリエーションがあるのが特徴です。
さらに、現在は生産ラインが効率化されているため、他の老舗ブランドよりも価格がやや抑えられているのも嬉しいポイントとなっています。
エドワード・グリーン(Edward Green)
「エドワード・グリーン(Edward Green)」は、ジョン・ロブと並んで世界最高峰の靴と称される、イギリスの名門ブランドです。英国靴の伝統を継承し、熟練職人たちによる時代を超えた美しい紳士靴を作り続けています。
ジョン・ロブとの違いは、その経営方針。何度か経営上の危機をむかえながら、大手ブランドに吸収されることなく、独立したブランドとして経営を続けており、現在もその地位は揺るぎないものです。
英国靴の真髄を纏いたいならば、エドワード・グリーンを選んで後悔することはありません。
グッチ(GUCCI)
言わずと知れたイタリア発の高級ファッションブランドである「グッチ(GUCCI)」ですが、革製品へのこだわりは並々ならぬものがあります。グッチの革靴は世界三大レザーの1つである「イタリアンレザー」の認定を受けており、品質が高く履き心地が良いことで知られています。そもそも、グッチは馬具メーカーとして創業したので、革靴も「ビットローファー」が代名詞。丁寧に扱えば10年以上愛用できる名品として、世界中で人気です。
グレンソン(Grenson)
「グレンソン(Grenson)」はイギリスの老舗ブランドで、1866年にウィリアム・グリーンによって設立されました。
先見性のあったグレンソンは、米国発祥のグッドイヤーウェルト製法を早くから取り入れ、イギリスを代表するブランドに成長しました。その革靴の特徴は、シンプルさ。クラシックでオーソドックスなデザインのものが多く、飽きのこない普遍的な魅力をもった靴を得意としています。初めての高級ブランドに手を出すなら、グレンソンは間違いないブランドと言えます。
エンツォ・ボナフェ(Enzo Bonafe)
「エンツォ・ボナフェ(Enzo Bonafe)」は1963年にイタリアのボローニャで創業したブランドです。
このブランドの靴は10数名程度の小さな工房で作られており、ハンドソーンウェルテッド製法をはじめ、様々な製法を駆使して、熟練の職人たちが丁寧につくりあげています。特徴は、履き込んでもシルエットが崩れない最強クラスの吊り込み技術です。また、中底の下にリブテープを配しておらず、さらにコルクも入っていないため、屈曲性が高いのも人気の秘密で、世界中のVIPに愛されています。
ジョセフ・チーニー(JOSEPHCHEANEY)
「ジョセフ・チーニー(JOSEPHCHEANEY)」は1886年に、グッドイヤーウェルト製法の生まれた地として知られるイギリスのノーザンプトンで創業しました。
1966年にチャーチに買収されましたが、チャーチがプラダグループに買収されたため、現在はプラダグループの傘下にあります。伝統的な製法と新しい感覚とトレンドを巧みにミックスするのが得意で、現在注目度の高いブランドです。
スコッチグレイン(SCOTCH GRAIN)
「スコッチグレイン(SCOTCH GRAIN)」は、名前からは想像し辛いかもしれませんが、日本の革靴ブランドです。
1978年に発表され、スコットランド発祥の表面に細かな模様が施されたレザー「スコッチグレインレザー」にちなんで名付けられました。リーズナブルでありながら上質な革を使ったラインナップが特徴で、東京都墨田区にある自社工場で一貫生産されており、日本人の足にフィットしやすいと言えます。
アルフレッド バニスター(alfredoBANNISTER)
次は比較的新しい日本のブランドをご紹介します。1992年にアバハウスインターナショナルが立ち上げた「アルフレッド バニスター(alfredoBANNISTER)」です。
日本人の足型に合う木型づくりにこだわっており、さらに雨の日にも快適に履くことができる防水モデルもあるなど、その機能性が高い評価を得ています。デザインはシンプルでスタイリングしやすいものが多く、革靴初心者の方でも手に取りやすいラインナップとなっています。
パドローネ(PADRONE)
「パドローネ(PADRONE)」も、日本の新興ブランドです。誕生は2006年で、元々コムデギャルソンの靴を制作していたミウラという会社が立ち上げたブランドです。日本製ならではの高品質な仕上がりで、セレクトショップを中心に一躍人気ブランドの仲間入りを果たしました。価格帯も手を出しやすい範囲で、若者を中心に注目されているブランドです。
ハインリッヒディンケラッカー(HEINRICHDINKELACKER)
「ハインリッヒディンケラッカー(HEINRICHDINKELACKER) 」はドイツの老舗ブランドで、創業は1879年。
オーストリアやハンガリーで培われた独自の技術を取り入れ、履き心地が優れていることから「革靴のロールスロイス」とも呼ばれています。年間生産数はわずか8000足ほどで、この靴のオーナーになれる人はごく少数です。
その分、手に入れたときの高揚感はまさに最高で、他の人とは違うブランドがいい!と思うなら、選んで間違いはありません。
エコー(ECCO)
「エコー(ECCO)」は1963年にデンマークで創業したブランドで、デンマーク王室御用達としても知られています。
北欧らしいミニマルなデザインが特徴で、長年はいても飽きがきません。スロバキアやインドネシアなどに自社工場を持っており、製造から出荷、店舗経営まで自社で一括管理しています。
そのおかげでクオリティに対して価格が良心的で、初めての一足としてもオススメできます。
ロックポート(ROCKPORT)
最後に紹介するのは、1971年にアメリカのボストンで創業した革靴ブランド「ロックポート(ROCKPORT)」です。
ビジネスシューズのアッパーにスニーカーのアウトソールを組み合わせることで、履き心地が抜群に良いモデルを生産しています。
仕事に遊びに、あらゆるシーンで使いやすく、さらに疲れにくいのが特徴で、平日だけでなく土日も履きたいブランドです。
まとめ
いかがだったでしょうか。ローファーといっても、色々なデザインとブランドがあることが、わかっていただけたのではないでしょうか。上品さとカジュアルな雰囲気の絶妙なバランスが特徴のローファーですが、それぞれのデザインとブランドの特徴を知ることによって、自分のニーズにピッタリのものが見つかるはずです。
是非、これからの購入の参考にして、ローファーをうまく取り入れたコーディネートを楽しんでください!