筋トレに一番いいのは半熟卵! その理由は?
そして、筋トレをする人に特に知っておいてほしいのは、卵は卵でも、たんぱく質を摂るうえで一番効果的なのは「半熟卵」だということです。次にいいのが「ゆで卵」で、もったいないのが「生卵」。
不思議でしょう? どの食べ方をしてもたんぱく質量は変わらないのに、調理方法によって吸収率が変わるんです。消化吸収が圧倒的に早いのが「半熟卵」です。
吸収率に違いが生じる理由は、卵のアミノ酸結合の構造によって、消化酵素の働きが異なるからです。加熱したほうが消化酵素が働きやすく、吸収がいいんです。でも、ゆで卵まで加熱するとアミノ酸結合がほぐれすぎて、消化酵素が働きにくくなる。
そして、生卵が「もったいない」のは、消化酵素を邪魔する「トリプシンインヒビター」という物質が含まれているためで、卵白にある「アビジン」という物質も体に必要なビタミンの吸収を妨げます。トリプシンインヒビターもアビジンも熱で壊れるので、卵は加熱したほうがいいんです。
筋トレをする人は、筋肉の合成を助けてくれる半熟卵がベスト。減量したい人なら、消化吸収の遅いゆで卵でもいいでしょう。映画『ロッキー』では、体を鍛えるシルヴェスター・スタローンが生卵を飲むシーンがありますが、あれは忘れてください。
40代後半になったら1日40gのたんぱく質を
私は卵を1日6個食べると言いましたが、食べ方は半熟がほとんどで、オムレツやスクランブルエッグにしています。味噌汁に半熟卵を落とすのもおすすめですよ。半熟具合がわからない場合は、透明な卵白が白くなればOK。それが、消化酵素が働きやすくなる合図です。
たんぱく質は1食20g摂ればいいと言われてますが、それは若い人だけ。40代後半を過ぎるとそれでは足りず、40gは必要です。年を取ると、たんぱく質を合成する能力が衰えるからです。
私の場合は6個の卵だけで36g。他の食材と合わせれば、1食40g以上はたんぱく質を摂取する計算になります。アレルギーの人は別ですが、卵はいくら食べても大丈夫。今日からぜひ、情報をアップデートしてください。
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あれだけ信じていた「卵は1日1個」説はとんだ勘違いだったし、「筋トレには生卵」よりも半熟がいいという驚きの事実も学ぶことができた。肩透かしを食らった気分だが、いますぐ情報をアップデートするしかない。
次回は「筋肉量と内臓」の意外な関係について筋肉王が解説。ぜひお楽しみに!