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2024.06.10

からだ

「ブルーライトカットのメガネは無意味」って本当?ウワサの真相を専門家に直撃!



目の保護のためにブルーライトカットのフィルターやメガネを愛用している人も多いだろう。だが、ここ最近、「ブルーライトカットは意味がない」という言説も出始めている。

本当のところはどうなのか。深作眼科の深作秀春院長に、ブルーライトについて教えてもらった。

話を聞いたのはこの人!

深作秀春⚫︎医療法人社団秀仁会深作眼科院長。国立滋賀医科大学を卒業。1988年に同院を開院。神奈川と東京にある病院には全国から患者が集まる。国際眼科学会で20回最高賞を受賞。『白内障の罠』(光文社)など、著書も多数。

深作秀春⚫︎医療法人社団秀仁会深作眼科院長。国立滋賀医科大学を卒業。1988年に同院を開院。神奈川と東京にある病院には全国から患者が集まる。国際眼科学会で最高賞を20回受賞。世界最高の眼科外科医の称号であるクリチンガー・アワード受賞者。『白内障の罠』『緑内障の真実』『視力を失わない生き方』(光文社)、『100年視力』(サンマーク出版)など、著書も多数。


「ブルーライトカットのメガネは無意味」は本当か

――最近、「ブルーライトカットのメガネは意味がない」という記事を読んだのですが。

僕も研究結果と言われる記事を読みましたが、はっきり言って、あれは研究と呼ぶにはお粗末だと言えるでしょう。

そもそもブルーライトの根本の話をしましょう。光というのは、波と粒子の性質を持った電磁波です。この電磁波には、短い波長を持つものと、長い波長を持つものがあって、この中で目に見える波長の光を可視光線と呼びます。

この可視光線にはさまざまな色があるのですが、ブルーライトと呼ばれるのは、最も波長が短い、紫と青の光線を指します。

では、なぜブルーライトが目に良くないのか。それは短い波長のものほどエネルギーが強いからです。

どれぐらい強いかというと、物質にあたると電子が放出することを光電効果といいます。例えば金属に短い波長の青い光を当てると電子が飛び出すのですが、長い波長の赤い光では電子は出ません。



――光なのに跳ね返るんですね!

そうです。短波長の光は金属に当たって電子が飛び出るほどエネルギーが強いんですよ。

つまり、紫外線や可視光線の中でも、紫や青の光は衝撃が強いのです。例えてみれば、短波長波光は鉄球がぶつかるようなものです。そして目というのは、身体の中で唯一むき出しになっている臓器です。つまり、とても繊細なものなんですね。

その繊細な臓器に、高いエネルギーを持つ波長が当たるのですから、細胞に鉄球をぶつけるようなもので、当然細胞は傷付きます。さらにその傷を修復しようとして、活性酸素が出るのですが、この活性酸素は修復力がある一方で活性酸素自体の毒性も強いんですね。

それでも若いうちは活性酸素を消去する抗酸化物質が身体の中に多いのですが、加齢とともに体内の抗酸化物質は減少します。そして40代以降になると活性酸素が充分に除去できなくなり、悪影響が多くなってきます。

――活性酸素って、老化にも関係するやつですよね!?

そうです。そして活性酸素は目にも悪影響があるんです。

例えば、加齢黄斑変性という、加齢によって中心部が見えなくなる病気があります。日本では知らない方も多いのですが、欧米では失明の最大の要因の一つになっているほどの怖い病気です。そして紫外線や短波長のブルーライトは、網膜黄斑部障害の加齢黄斑変性や白内障の原因になるのです。


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