自分らしいメガネ、それはきっとパーソナルな部分にあると思う。仕事、趣味、ファッションの好み……。数あるメガネから自分らしい1本を選び、シーンや気分に合わせて楽しく“着替える”。
どんなアイテムも機能美が大事だと語る、建築デザイナーの細田邦彦さんを唸らせるメガネとは。細田さんが自由な意思と感覚で楽しみ尽くす。
細田邦彦さん Age 41職業: 建築デザイナー
趣味: 旧車でのモトクロスレース
憧れの有名人: スティーブ・マックィーン
好きな服: トラッドなもの
ほそだ・くにひこ●1976年生まれ。インダストリアルなデザインの男らしい家具やハウスホールドグッズを展開する「パシフィック ファニチャー サービス」にてデザイナーを務めたのち、独立。6年前に建築デザイン事務所「ハウストラッド」を設立。家具はミッドセンチュリー、バイクはヴィンテージモトクロス、音楽はレア・グルーヴを愛するこだわりの(本人は意識していない)趣味人。奥さまと9歳の愛娘を持つ父親でもある。
「細部の仕事ぶりに感心しました」
「正直、老眼は来てますね(笑)。まさに探している最中でしたが、こんな華奢で美しい作りのものがあるとは知りませんでした。細部まで心を配った作り手の仕事ぶりに思わず感心してしまいました」。
ご存じアヤメが手掛けるリーディンググラスは、半円の玉型に金のフレームというクラシックデザイン。リムに施された彫金は繊細そのもの。デザイナーである細田さんを唸らせる仕上がりなのだ。
「はい、スティーブ・マックィーンに憧れています(笑)」
現在はフォールディングタイプのペルソールを使っている細田さん。では、こんな個性的な2ブリッジのサングラスはいかが?
「ペルソールは僕の憧れであるスティーブ・マックィーンが掛けていたブランドなので、当然好きです。このモデルもいい感じ。シールド付きのへドン社のヘルメットを被りますが、バイクに乗るときは普通にサングラスを掛ける派です」。
「デザインと機能が直結 ──自分の仕事もそうありたい」
「メガネに限らず、どんなアイテムも機能美というものが大事だと僕は考えています。素材に凝ったこのメガネもそうですよね。なるべくしてこのデザインになっているんだと思います」。
デンマーク発のリンドバーグによる、ウッド、バッファローホーン、チタンを精密に組み合わせた1本。肌に触れる部分には医療用シリコンを用いるなど、徹底して機能性を追求する。
「いかにもユニークなやつに惹かれます」
「玄人受けするようなディテールもいい、でも誰にでもわかるユニークなディテールにもつい惹かれます」。
素材は弾力性に優れたステンレス。ネジを1本も使わずに折り畳める点は玄人受け、マグネットでパチッとくっつく収納しやすいテンプルは万人受けする面白い仕様なのだ。
「バイク好きをくすぐる“仕掛け”がある」
古いドゥカティとカスタムしたモトクロスバイクを所有する細田さんは、レースなどにも積極的に参加している。
「バイク関連のモノにはジャンルを問わず目が行きますね」。正面から見るとわかりづらいが、これは折り畳み式の風防をヒンジ部分に装着した変わり種。
清水将之(mili)=写真(人物) 鈴木泰之=写真(静物) 菊池陽之介=スタイリング SHUTARO(vitamins)=ヘアメイク