会話中に人の名前が出てこなかったり、昨日食べたものを忘れたり……。こういった記憶力の低下は、デジタルデバイスの多用による脳疲労のサインかもしれない。
今回は、脳とアンチエイジングを専門とする脳神経内科医・霜田里絵先生に“脳疲労”について話を伺った。
話を聞いたのはこの人! 霜田里絵●医師・医学博士。銀座内科・神経内科クリニック院長。日本神経学会専門医。精神科医になるために医学部を目指すが、「脳」に興味を持ち脳神経内科医の道へ。「身体脳」と「こころ脳」の両方を見つめる医療法人ブレイン・ヘルスを設立。
記憶力の低下はスマホの見すぎが原因!?
――最近、もの忘れが増えた気がします。 一般的に、記憶力などの認知機能は、50歳頃からゆるやかに低下していきます。ただ、40代くらいになると記憶が定着しないと感じる人もいるでしょう。
主な原因は睡眠不足や睡眠の質の低下ですが、スマホを寝る直前まで見ているような生活も関係していると思います。
――やはりデジタルデバイスが、脳に悪い影響を与えるのでしょうか? 個人差はあると思いますが、休憩でも電車に乗っているときも、みなさんスマホが手放せなくなっていますよね。
しかも、動画を観ながら料理を作ったり、音楽を聴いたりといったマルチタスクが当たり前になりつつある。そういった生活を続けていると、脳のキャパシティを超えて「脳疲労」に陥る可能性があります。
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