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2023.08.31

からだ

「体がだるい」「頭がモヤモヤ」原因はグルテンかも。体調不良のメカニズムと“脱小麦”のススメ



アスリートやモデルの間で注目を集めている「グルテンフリー」。

パンやパスタ、ラーメンが大好物という人にはどこ吹く風だろうが、もし「体がだるい」「疲れが取れない」「頭がモヤモヤする」といった自覚症状があるなら、小麦の摂りすぎを疑ってみてもいいかもしれない。

今回は、「脱小麦」の重要性を提唱する医師の本間良子さんに、夫の体験を交えながら、グルテンのアレコレを教えてもらった。
話を聞いたのはこの人!
本間良子●スクエアクリニック院長・米国発達障害児バイオロジカル治療学会フェロー。副腎疲労の夫をサポートした経験をいかし、日本で唯一の副腎疲労、グルテンフリー外来を開設している。

本間良子●スクエアクリニック院長・米国発達障害児バイオロジカル治療学会フェロー。副腎疲労の夫をサポートした経験をいかし、日本で唯一の副腎疲労、グルテンフリー外来を開設している。

「脱小麦」で夫の体調が劇的に回復



――脱小麦を始めたきっかけは、ご家族の健康不良だったそうですね。

そうなんです。夫は研修医や大学院の研究、アメフトの練習や試合にと、多忙な生活を続けていたんですが、体が悲鳴を上げ始め、手の打ちようがなくなりました。

慢性疲労と激しい倦怠感、うつ症状も現れて、30半ばには起き上がれない状態になったんです。

――原因は何だったんですか?

どの医者に診てもらってもわかりませんでした。たまたまアメリカの医師が出版した「Adrenal fatigue (副腎疲労)」を読んだところ、夫の症状に見事にマッチして。副腎疲労を起こしている主な原因が小麦に含まれているタンパク質だということがわかり、それ以来、脱小麦の食生活を取り入れています。

――脱小麦で体調は改善されたんですか?

私たちが小麦をやめて10年以上経ちますが、何をするにも億劫になっていた夫の体調は改善し、今はいつもエネルギッシュで楽しそうにしています。子供のときから悩まされていた酷いアトピーも驚くほど改善しましたね。

なぜ「小麦」は悪者なのか



――昨今、グルテンフリーが注目されていますが、小麦は悪者なんですか?

小麦が悪いわけではなく、小麦に含まれているタンパク質の「グルテン」を摂りすぎると、体にマイナスに働くということです。

――グルテンを摂りすぎると、なぜ体の不調につながるのでしょう?

私たちの腸にある細胞と細胞の間は、細菌や毒素が入らないよう、普段はしっかりと閉じられているのですが、食事をしたときだけは栄養素を吸収するために開くようになっています。

開く働きをしてくれるのが「ゾヌリン」で、小麦のグルテンを構成する「グリアジン」によって分泌される物質です。

――小麦が栄養素の吸収を助ける働きをしてくれているんですね。

そうなんです。本来グルテンは重要な働きをしてくれていますが、問題は食べる量です。量が多すぎるとゾヌリンが大量に分泌されて、腸の細胞と細胞が開きっぱなしの状態になる。

そうすると、「リッキーガット」といわれる状態になりますが、これは日本の内科学会で学会誌が出るほど注目されている問題です。


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