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2022.05.07

からだ

日本のおじさんに足りないのは「ビタミンD」だった!専門家に教わる驚きの効果



日本では知名度の低い「ビタミンD」だが、北欧では国がサプリメントの摂取を推奨するほどその重要性が認められており、さらに、米国では新型コロナウイルスの重症化を防ぐ可能性まで報告されている。

満尾クリニックの満尾 正院長は、日本人にはビタミンDが足りていないと警鐘を鳴らす“ビタミンD第一人者”のひとり。オーシャンズ世代にビタミンDが必要な理由を詳しく聞いた。

話を聞いたのはこの人!満尾 正●東京・広尾にある「満尾クリニック」院長、医学博士。2002年、日本で初めてのアンチエイジング専門院を開設。キレーション治療を中心にした、内科的アンチエイジング治療を行う。著書に『医者が教える 最高の栄養 ビタミンDが病気にならない体をつくる』(KADOKAWA)。

満尾 正●東京・広尾にある「満尾クリニック」院長、医学博士。2002年、日本で初めてのアンチエイジング専門院を開設。キレーション治療を中心にした、内科的アンチエイジング治療を行う。著書に『医者が教える 最高の栄養 ビタミンDが病気にならない体をつくる』(KADOKAWA)。


日本人の8割は「ビタミンD」不足



 ――まず、ビタミンDとは何ですか?

ビタミンDの本質はビタミンではなく、コレステロールを原料とするステロイドホルモンの仲間です。ステロイドホルモンと聞くとびっくりするかもしれませんが、私たちの体はさまざまなホルモンが複雑に機能して健康を保っています。

ビタミンDは全身の細胞が元気でいるためにもっとも重要なホルモンのひとつです。

 ――日本ではあまり注目されていませんよね。

アメリカをはじめ世界では、予防として積極的にビタミンDを摂る動きがあります。北欧でも国をあげて摂取が推奨されています。残念ながら日本では、ビタミンDの効能について見向きもされていないのが現状です。

――満尾先生は日本人のビタミンD濃度の低さに警鐘を鳴らしていますが、どのような状況なのですか?

まず、ビタミンD濃度は40ng(ナノグラム)/ml以上であることが最適な数値だと言われています。30ng/ml未満ならビタミンD不足状態、20ng/ml未満なら ビタミンD欠乏状態に分類されます。

満尾クリニックの外来受診者全体でいうと、8割近くが30ng/ml未満で、うち4割近くが20ng/ml未満、至適値の40ng/ml以上だった人はわずか5%でした。

――オーシャンズ世代である40代前後の男性についてはどうですか?

20〜40歳の男性400人の平均が24ng/ml、40〜60歳の男性400人の平均も25ng/mlだったので、私のデータからいうとこの世代の日本人男性のビタミンDは不足状態にあると言えますね。


ビタミンDとイライラやうつの深い関係



――ビタミンD不足になると、この年代の男性にどんな影響がありますか?


いろいろありますが、ビタミンDで予防や改善が期待できる症状は下記の5つです。
① イライラやうつ
② 大腸がん
③ 心疾患・脳疾患
④ 花粉症
⑤ 新型コロナウイルス
まずは、イライラしやすい、うつっぽくなりやすいということ。簡単にいうと元気がなくなるっていうことですね。ビタミンD不足でカルシウムの吸収ができなくなることが理由のひとつですが、もし、軽いうつ状態の人がいたらビタミンD欠乏を疑ったほうがいいでしょう。

ビタミンDとうつ病の関係を調べる研究はいくつも行われていて、ビタミンDを投与した患者のうつ病発症が減少したという報告もあります。

晩秋から初冬の10月、11月ってメランコリックになりませんか?

――メランコリックですか? あまり意識したことはないですね……。

ビタミンDは皮膚が紫外線に当たることで作られるので、紫外線を浴びる時間が減る季節にはビタミンDの濃度が下がります。それが、物悲しさを感じることにつながると考えられています。

紫外線の量が少ない北欧では、国をあげてビタミンDを積極的に摂取していますよ。


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