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トリッカーズのサイズ表記を解説!



英国の靴を代表するトリッカーズだけあり、サイズ表記の基準は、当然ながら「UKサイズ表記」。

日本ではメンズの場合、これを以下のような「日本サイズ表記」に便宜的に置き換えてフィッティングの参考資料としている。

トリッカーズのサイズ表

トリッカーズのサイズ表


スニーカーとのサイズの比較については、本田店長はこう答えてくれた。「あくまで便宜的な目安ですが、お履きになられているスニーカーのサイズからは通常、-1.0引いてご案内しています」(本田剛士さん、以下同)。

つまり、スニーカーで日本サイズ27を履く=多くのトリッカーズでは26=UKサイズ7.5となるわけだ。

ただし……「人気のあるバートンに関しては、ほかのモデルより大きめな木型(4444ラスト)を用いているため、さらに-0.5引いてご案内しています」。



もう、これでお判りだろう。この違いは、

・UKサイズ(USサイズもヨーロッパサイズも):製造時に用いる「木型の大きさ」を示している。

・日本サイズ:実際に靴を履く「人の足長」を示している。

という、決定的かつ永遠に交わらない「基準の原点の違い」が、靴のサイズ表記には存在しているのだ。

だから、あくまで「便宜的な」置き換えに過ぎない。

逆に言うと、同じ足長26.0cmの人でも、土踏まずの長さや足囲の違い次第で、UKサイズ7.5が最適な場合もあれば、UKサイズ8のほうが向いている場合も多々あるということである。




また、トリッカーズのサイズは、主にライニングのくるぶし付近に、「8-5」といった記載されている。

前の数字(8)は上述したサイズ、そして後ろの数字(5)は「ガース(Girth=足囲。日本では『ワイズ』と呼ばれている)」を示すものだ。

メンズのガースは「5」が標準で、ほかの英国靴のE相当。まれに「6」のものもあるが、これは「5」よりも幅太という意味で、ほかの英国靴ではEEやFに相当する。

なお、レディースのガースは「4」が基本となるので、同じモデルでもメンズなのかレディースなのかは、これでほぼ識別可能だ。

注意!UKではなく“USサイズ”が紛れ込んでる!?



サイズ選びに関して、本田店長からさらに注意すべき点も伺えた。「ユーズドやオフィシャルではない国内外のネット通販での購入には、どうかくれぐれもご注意下さい」。

むむっ、ニセモノとかが流通しているのか?と思うと……

「トリッカーズが醸し出す無二の武骨さは、ニセモノでは絶対に出せません。それより遥かにご注意いただきたい『本物』があるのです。実は、過去の経緯から、ショップ側の要望でUKサイズではなく『USサイズ表記』で造られたものが一部に存在するのです」。

同じ「7.5-5」表記であっても、US7.5のほうがUK7.5より小さい(US7.5≒UK7、場合によってはUK6.5相当)。

そして厄介なのは、サイズ表記でも見た目でも、UKサイズなのかUSサイズなのかの区別が、全く付けられない点である。

ということは……UK7.5を買った気でいても、実はUS7.5のもので妙に寸足らずで履けない、という悲劇が間々、起こり得るのだ。

「そういった例もあるので、説明がしっかりされていないネットオークション等で購入される場合は、リスクが大きいんです。その意味でも、直営店できちんと足を診てもらった上でご購入いただくのが、最も安心で最もお買い得になるかと思います」。


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