トリッカーズ人気モデル4足のサイズの選び方
それでは、本田店長にトリッカーズの人気モデルの解説と、改めて適切なサイズ選択の目安について教えていただこう。
似たようなモデルが多い印象の同社の靴だが、深掘りすると実はどの靴も極めて個性的なのだ。
トリッカーズの人気モデル①「ストウ(STOW)」
「ストウ」C-シェイドタンゴース13万2000円(トリッカーズ青山店 03-6805-1930)
一度見たら絶対に忘れない、まさにトリッカーズを代表するモデルが、この「ストウ」だろう。
縫合線のブローギング(親子穴)や、つま先のメダリオンもガッチリ大きめ。そして、ずらりと並ぶ鳩目もメタルリングが露出する外鳩目仕様と、非常に濃い口の顔立ちだ。
これらは、カントリーサイドを黙々と歩き続けるのに相応しい機能を有した
「用の美」の結晶でもある。だからこそ、「無二のこの風貌をカントリーユースに独占するのは、もったいない」とファッション関係者が放っておかなかったのだ。
ストウは、スニーカーより「1.0小さいサイズ」が目安
右のストウは27(UK8.5)、左のスニーカーは27(US9)
本田店長によれば、
「ストウ」のサイズ選びは通常、日本サイズ基準だとスニーカーのサイズ-1.0がおおまかな目安だそう。
ただし、薄手のソックスしか履かない人には、さらに-0.5下げたサイズを案内することもあるそうだ。
写真は27(UK8.5)を使用。ソール全長31.5cm/足囲29.5cm(編集部調べ)
「トリッカーズのオリジンを考えると、特にカントリー系のモデルはある程度以上、厚手の靴下を履いたほうが快適なのでおすすめです。最近は、都会でしか使わないと言う方も多いですから」。
このストウに用いられている「4497Sラスト」は、甲、特に二の甲をやや低めに設定し、かつ幅もわずかに狭めにした、程よいフィット感と足当たりの良さが特徴。
「フィッティングのポイントとしては、
最もつま先寄りの鳩目より、少し上で足を固定させるようなイメージで履くこと」とのこと。そのため、どちらかといえば、平たい足の持ち主向き。足によっては、靴の中に足を入れること自体が難い人もいるそうだ。
そして本田店長は、この木型の靴の、ある種の「落とし穴」についても話してくれた。
「4497Sラスト」は、指まわりにあえてゆとりを持たせた木型。そのため、これを「つま先には、まだ余裕がある」と勘違いし、本来より小さなサイズを買ってしまうケースが多いのだそう。
「靴が好きな人ほど、この『罠』にハマってしまうようなので、くれぐれもご注意下さい。もし、かかとが圧迫されて痛くなるようだったら、それはサイズが小さ過ぎるサインです」。
【ストウとモールトンの見極め方】
なお、トリッカーズには、この「ストウ」に酷似する「モールトン(MALTON)」というモデルも存在する。
両者の違いは、過去にはアッパーの違いとか、ウェルトの形状の違いとか、取扱店の別注も絡んで色々あったようだが、現在は以下がマーカーとなるので覚えておこう(直営店以外の商品では異なる場合があるので注意)。
ストウ:外底…ダイナイトソールかレザーソール。ガース…5(標準)
モールトン:アッパー…Cシェイドゴースカーフ。外底…コマンドソール。ガース…6(幅太)
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