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2023.02.25

からだ

115kgの巨漢から75kgのマッチョへ。医療記者が体得した“忙しくても痩せる”メソッドとは


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BODY CHANGER●ボディメイクを失敗たらしめるさまざまな罠。確実に成果を出すにはある種のテクニックが必要だ。華麗な変身を遂げたボディチェンジャーたちの成功体験に学ぶ、ボディメイクの極意。
コロナ禍による運動不足や加齢で、体重の増加やボディラインのゆるみが急に気になり始めたという人も多いだろう。

医療系記者として活動する朽木誠一郎さんは、3年間で約40kgの減量に成功した強者。今回は、エビデンスも交えてダイエット成功の秘訣を語ってもらった。
話を聞いたのはこの人!
朽木誠一郎●1986年生まれ。群馬大学医学部医学科を卒業後、オウンドメディア運営会社、編集プロダクション、BuzzFeed Japan Newsを経て、医療記者として活動。2019年に朝日新聞社入社、現在は同デジタル機動報道部記者、同withnews副編集長を務める。主な著書に『医療記者のダイエット』(KADOKAWA)など。SNS(インスタグラム、ツイッター)では、ダイエットのTIPSを発信中。身長175cm、体重75kg。

朽木誠一郎●1986年生まれ。群馬大学医学部医学科を卒業後、オウンドメディア運営会社、編集プロダクション、BuzzFeed Japan Newsを経て、医療記者として活動。2019年に朝日新聞社入社、現在は同デジタル機動報道部記者、同withnews副編集長を務める。主な著書に『医療記者のダイエット』(KADOKAWA)など。自身のSNS(インスタグラムツイッター)では、ダイエットのTIPSを発信中。身長175cm、体重75kg。

ストレスが原因で1年半で40kg増

――以前は体重が115kgもあったんですよね。太ったきっかけはあったのでしょうか?

僕は27歳ぐらいまで陸上競技の投擲をやっていました。身長175cmに対し体重は80kgありましたが、シックスパックの筋肉質な体だったんです。ところが就職したメディア業界は若干ブラック気質でして……。

ストレスや長時間労働で1年半で40kgも太ってしまったんです。
 太っていた頃の朽木さん。

太っていた頃の朽木さん。


――1年半で40kg!

6年制の医学部を卒業して就職をしたのが27歳で、29歳のときには115kgになっていましたね。深夜1時、2時まで働いて、仕事を抜けてラーメンやハンバーグなどの高カロリーな食事をして、また会社に戻って仕事をしてソファで寝るような生活を続けていたら、あっという間でした。

いろいろな研究でも明らかになっているのですが、所得が低い人は生活に追われて、食事や運動が疎かになって肥満になりやすいんです。僕も本当にその典型でした。

――ダイエットを始めようと思ったきっかけは何だったんですか?

電車の窓に映った自分の顔がやばかったことです。顔がパンパンで、学生時代とは別人。その顔を見て「このままじゃ本当に死んでしまうかもしれない、何とかしなきゃいけない」と思ったんです。

あと太っているといろいろ大変なんですよ。覚えているのは、とにかく歩くのが嫌いだったこと。さらに嫌だったのが階段。歩道橋を渡るぐらいなら300m先の信号まで歩いた方がマシと思っていました。

歩道橋を渡った方が運動量は増えるのに、太るととにかく目先の利益を取ろうとするんですよね。あと風呂掃除が大嫌いでした。

――風呂掃除ですか?

115kgもあると立て膝をつけないんですよ。タイルの上に膝をつくと、正座した足に重い石を乗せられる江戸時代の拷問みたいな辛さがあるんです(笑)。

さすがにこれは痩せないといけないと思って、最初は闇雲にダイエットをしました。

パーソナルトレーナーの生活指導で15kg減!

――具体的に、どんなことをしたのでしょう?

最初はファスティングや豆腐だけを食べる生活をしていました。深夜にジョギングもしてみたり、痩せると言われているものはひと通りやりました。

115kgもあると、ちょっと生活を改善をすればすぐに体重は落ちるんです。ただ、当たり前ですが、こういう不自然なダイエットや、極端に食事を制限する方法は長く続かない。だから結局リバウンドをしてしまって。

ダイエット前は、カレーやステーキといった脂質の高い食事が多かったという。

ダイエット前は、カレーやステーキといった脂質の高い食事が多かったという。


――なるほど。確かにずっと豆腐だけを食べているわけにもいかないですよね。

で、ちょうどその後に転職をしまして。生活環境が良くなったことで、運動もできるし、食事にも気を配れるようになって、105kgまでは自然と落ちていって。気持ちにも余裕ができたことで「よし、ダイエットしよう!」と決断できました。
 
――実際どんなことをしたのでしょうか?

まず、僕のようにダイエットをどこから始めたらいいかわからなくて、極端なことをして失敗している人って結構いると思うんです。逆に言うと、客観的なアドバイスが得られない状態だから、太っているということでもある。

そこで一度きちんとプロに見てもらおうと思い、パーソナルトレーニングでガッツリと生活指導をしてもらいました。



――いきなりトレーニングを始めたのですか?

いえ、まずは食生活の改善です。日本肥満学会が発表している肥満症診療ガイドラインでも、基本的には食事を改善して、その後に運動療法を併用していくというのが一般的な進め方になっているんです。

毎食写真を撮って、管理栄養士さんに送って、フィードバックを受けるという流れです。ただ、当時はご飯を3〜4杯おかわりしていましたし、酒も飲み過ぎでしたから、普通の人の食事量に戻すという指導が主でした。

運動は散歩程度から徐々にスタートして。それだけで50日ぐらいで90kgまではストンと落ちました。

――おお! いきなり15kgも減ったんですね。

ただ、ここからが大変でした。多分、そこそこ太っているぐらいの見た目から、普通体型になる方が時間もかかるし、難しいと思います。

というのも、90kgの体重が75kgになるためには、75kgの体を維持する食事量で満足しないといけない。いきなりここまで減らすのはなかなか大変なんです。

それと貧乏くさい話になっちゃうのですが、パーソナルトレーニングって2カ月で20〜30万円ぐらいかかるので、僕にとってずっと通うことは現実的ではなくて。


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