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いまの子どもたちには「三間(サンマ)」が足りないといわれています。思う存分遊ぶための「空間」「時間」「仲間」です。言うなれば、それを保証しようというのがプレーパークです。

子どもたちは幼児期に、豊かな「サンマ」のなかでたっぷり遊ぶことで、体力を育むだけでなく、コミュニケーション能力や協働性、共感力、試行錯誤しながら諦めない力、課題発見能力などのいわゆる非認知能力を伸ばしていきます。

乳幼児の子育てを独りで抱え込まない

何かと制約の多い都市部の子育てにおいて、子どもたちが自然豊かな環境の中で、からだのなかから沸き立つような好奇心をそのまま表に出して遊ぶ機会はなかなか得られません。

そこで、普段は一般的な都市型の幼稚園や保育所を利用していても、ときどきプレーパークのような場所に参加して、子どものからだとこころを解放してあげることが大事だと思うのです。

また、たとえば「なかだの森であそぼう!」には0歳から18歳までが参加できます。まだ幼稚園にも保育所にも通っていない親子にとっては、同世代のお友達をつくったり、子育ての先輩たちとお話ができたりする貴重な機会になります。

「なかだの森であそぼう!」にはプレーリーダーだけでなく、中川ひろみさんという子育て支援のプロもいます。ひろみさんに子育ての不安を吐露する保護者も多いようです。

朝、公園に着くと、大きな鍋で大量のタケノコが豪快にゆでられていました。前日にNPOのメンバーで掘ったそうです。みんなで食べます。

乳児の母親たちはブルーシートを敷いた上に座りおしゃべりしています。そのまわりで幼児たちは自由に遊びます。泥んこになろうが、小川に落ちようが、転んで擦り傷をつくろうが、ちょっとした諍いが始まろうが、みんな動じません。

「サスケ」の愛称で子どもたちから慕われる20代のスタッフは木登り名人。まるで映画の「ターザン」のように木から木へと飛び移ります。ボランティアのおじいさんは子どもたちにベーゴマを教えていました。

お昼の時間には、近所に住んでいるという会社員の男性スタッフが、在宅ワークの合間を抜けてたき火を囲み、ギターを抱えてオリジナルソングを披露してくれました。大人にとっても、「社会」の枠組みの外に出て自分らしくあれる場所になっているようです。

学校が終わる時間になると、小学生や中学生もちらほらやってきます。一日、何をするでもなく、みんな思い思いにすごします。


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