▶︎この記事の画像ギャラリーを見る トヨタの看板を背負ってきた
名門クラウンが16代目にして心機一転。SUVともワゴンとも、セダンともとれるようなクロスオーバースタイルで先日、販売が開始された。
そんな「名門の新しい味」も魅力的だが、名門ならではの「歴史の味」も捨てがたい。
そんなクラウンの歴史の味を語るに欠かせない歴代の人気モデルをご紹介。
昭和の近未来感が今はレトロな「クジラ・クラウン」
4代目クラウン(1971-1974)。中古車はほぼ流通せず。
ボンネットフードとフロントグリルの間にウインカーランプが備わる二段構えの顔つき。空力を考慮したスピンドルシェイプ(紡錘形)。
その姿がクジラを思わせたようで、4代目クラウンは「クジラ・クラウン」と呼ばれた。
当時としてはアバンギャルドなデザイン過ぎたのか、タクシーをはじめとした法人需要が落ち込んだと言われる。それもあって4年を待たずにフルモデルチェンジされてしまった。
けれど、当時の最先端は今のレトロ。このスタイルは今見ると魅力的で、そのため中古車の人気も絶大だ。
「高級車をマイカーに」と呼びかけた初めてのクラウン
7代目クラウン(1983-1987)。中古車台数は少なく、あれば100万円〜。
トヨタのトップブランドゆえ、タクシーや重役クラスの送迎といったビジネスユースのイメージがあるクラウン。
かつては個人が楽しむために高級車のクラウンを買うなんて、夢のような話だったのだが、7代目クラウンは「いつかはクラウン」のキャッチコピーでデビューした。
つまり、高級車を自家用車にしませんか?というわけだけど、折しも時代はバブル景気直前。リアピラーの「クリスタルピラー」や、重厚なグリルといったトヨタの最上級モデルらしい風格と、四角四面な格調高い旧型(6代目)より若干柔らかなデザインは、時代の浮かれ始めた気分にマッチ。
間もなく始まる「ハイソカーブーム」の幕を開けるかのようにヒットした。
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