ヘッドに「It’s up to you.」の刻印。各3万3000円/チャリ&コー(チャリ&コー ジャパン 03-6433-5912 https://www.chariandco.jp )
▶︎すべての画像を見る ニューヨークの自転車(=メッセンジャー)カルチャーに傾倒した日本人が、メッセンジャーの聖地ニューヨークで立ち上げた自転車スタイルブランド「チャリ&コー(CHARI&CO)」。
彼らがなんと、ゴルフクラブを限定リリース。ヘッドに刻まれたメッセージが印象的な3本のアイアンである。
NYのメッセンジャー文化と日本のゴルフクラブ製造技術が異次元コラボ
1980年代初頭、ニューヨークから世界へと拡大していったメッセンジャー文化。交通渋滞が蔓延化する都市で「早く確実に荷物を届けたい」という要望の増加とともに、混雑した路上を縦横無尽に走り抜けるメッセンジャーの数も激増した。
ニューヨークのメッセンジャー文化に触発された日本人が、かの地に渡って作ったのが「チャリ&コー」だ。
その姿には社会に対するある種のアンチテーゼも含まれていて、瞬く間にストリートカルチャーの一部に。それに傾倒した日本人が、ニューヨーク・ローワーイーストサイドで自転車ブティックとともにスタートさせたブランドがチャリ&コーである。
自身もメッセンジャーだったからこそ生まれる機能的かつ個性的なアイテムの数々は、ライダーはもとよりスケーターやカメラマン、アーティストなどから絶大な支持を得て話題を集めた。
そして、スタートから14年が経過した今、ブランドは意外な進化を果たした。
それが本記事の主役「IT’S UP TO YOU WEDGE」だ。
“自転車”がベースのブランドがゴルフクラブをリリースとは驚きである。
まず、生産するにあたって、チャリ&コーのオーナーは国産アイアン製造の発祥地である兵庫県市川町にある「藤本技工」に製造を依頼。
軟鉄を熱して鍛造→職人による研磨→刻印と調整→仕上げ研磨→最終検品→緻密な組み立て……という工程を経てクラブは完成する。
これは、自身の故郷が同町だったというのも理由のひとつだが、それは本質ではない。
そもそも藤本技工は工場立ち上げ時から軟鉄鍛造にこだわり、複合素材や中空大型ヘッドが蔓延する今になっても、軟鉄素材&鍛造製造を貫いてゴルフヘッドを作り続けている、かなり頑固(!?)なメーカーだ。
ニューヨーク・マンハッタン発信の自転車アイテムのブランドと、兵庫県市川町のゴルフクラブ製造工場による異色のコラボ。
つまり、圧倒的なクオリティを優先した結果なのだが、そんなこだわりが詰まったプロダクトというからには、さぞ個性的なクラブとなっているかと思えば……見た目はいたってシンプル。
というか、この見た目は、ゴルファーの購買意欲を刺激する謳い文句がずらっと並ぶ大手メーカーのクラブと比べると、いささか頼りないほどにシンプル過ぎるかもしれない。
しかし、そこにもしっかりとした意味がある。
チャリ&コーと藤本技工が「シンプルなクラブに体を合わせるのが一番良い」と結論づけたのだ。過剰なデザインはむしろ不要という判断だ。
重量にも徹底的にこだわった。
高熱の炉で熱した軟鉄素材をヘッド形状に鍛造し、それを熟練の職人が丁寧に研磨。さらに刻印とメッキ加工、磨きを施して完成するウェッジは、ため息が出るほど美しい。
そして卓越したパフォーマンスで、すべてのゴルファーを魅了する。
ちなみに、ヘッドに刻印された「It’s up to you.」は「あなた次第」という意味。このウェッジに気持ちを寄せるか寄せないか、さらにはピンにボールを寄せられるか寄せられないかは“あなた次第”というわけだ。
ウェッジはロフト角が違う3本。●ロフト角47度/バンス角08度:流行のウェッジの見た目をしたピッチングの代わり、あるいはピッチングとウェッジの間となるギャップとなるウェッジ(GW)。●ロフト角53度/バンス角10度:アプローチ周りのオールラウンダー。「最悪これ1本でもグリーン周りはなんとかなる!」とか。●ロフト角53度/バンス角12度:ロブやバンカーショットなどテクニック系を手助け。上げようとしなくても、いつもの自然なスイングでふわっとした球を打てる。各3万3000円/チャリ&コー(チャリ&コー ジャパン 03-6433-5912 https://www.chariandco.jp )
[問い合わせ]チャリ&コー ジャパン03-6433-5912https://www.chariandco.jp