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2018.04.04

あそぶ

薄く小さく一目瞭然!ライトハイキングに学ぶ旅行のパッキング術


特集「男はどうして旅に出るのか?」
なぜ旅は、いつの時代も男心をかき乱すのか。年を重ねると、長旅に時間を割くいとまもないかもしれない。しかしそこには紛れもなくロマンがあり、胸を熱くする体験が待つに違いない。そんな旅の前段で、楽しくも難しいのがパッキング。その道のプロにテクニックを教わろう。日用品や着替えのほかに、“夢”もたっぷり詰め込みたい!

どんな場面でも、荷物はコンパクトにまとめたほうが何かと都合がいい。とかく荷物が重くなりがちな旅行では特に、コンパクトなパッキング術がキモになる。そこで参考になるのが、“軽少薄”が基本のハイキングにおけるパッキング。

日帰りでの登山など、軽めの山登りシーンを想定したライトハイキング時のパッキング術を伝授してくれたのが、アウトドア関連の雑誌やウェブメディアでライターとして活躍する猪野正哉さん。山へ入るには、必要なギアを小さなバックパックひとつに収めることがマスト。その目から鱗なそのテクニックは、知っていて損はない!
狩野さんは地元である千葉県にプライベートキャンプ場「たき火ヴィレッジ<いの>」を開き、焚き火やキャンプのおもしろさを伝える活動も行うなど、根っからのアウトドアマンなのだ。実は過去にメンズ雑誌の専属モデルとして活躍していた経歴も!

“使えるものを探す”の精神で、アイテムは小分けに

丸めているのは、登山中の休憩時に座布団として使うエアーマット。休憩場所などない山の中では、冷たい岩場や濡れた場所に座る、なんてシチュエーションも。しかし、直接座ると体温が奪われ、不用意に体力を消費してしまう。それを防ぐために持ち歩く人が多いというのが、座布団大のマット。
空気を入れて膨らませるもので、未使用時は空気を抜き丸めて持ち運ぶ。収納ケースとして使っているのは、雨具の収納袋だったものだそう。専用アイテムだけではなく“使えそうなもの”を取り入れ、持っていくアイテムごと袋に小分けに入れることで、識別しやすくなり、コンパクトに持ち歩ける。
 

山頂で飲むと格別にうまい! 登山用コーヒーギア

こちらは休憩中にコーヒーを飲むためのセット。右はアウトドア用の小さな鍋。その左に見えるのはシングルバーナーだ。手前にあるのは、お湯を入れるだけでコーヒーが完成する“グロワーズカップ”。シングルバーナーは畳むと手のひらサイズの小ささになり、持ち運びに便利。鍋の本体部分にはガス缶がジャストフィットするので、収納時はひとまとめにできる。
別々のブランドやアイテム同士がジャストフィットすることを“シンデレラフィット”と呼ぶが、このように上手に組み合わせられるアイテムを見つけるのは、バックパックの中で余計なスペースを作らないコツといえそう。
 

濡れても平気なジップロックは、アウトドアの強い味方!

いくらアウトドアアイテムとはいえ、持ち歩くアイテムの中には水に弱いモノも多々ある。そこで重宝するのが、なんとジップロック!
ジッパーを閉めることで防水の袋になり、紙製のアイテムやライターといった水濡れ厳禁のものを小分けに収納しよう。袋に入れたトイレットペーパーは、芯を抜き薄くして持ち歩くのだとか。ほかにも登山好きの中にはジップロックをお財布がわりに活用する人もいるそう。
 

着用サイズも持ち運びサイズも小さめが◎

山頂へ近づくにつれ気温が下がるので、防寒着は必須アイテム。猪野さんが持ち歩いているアウターはL.L.ビーンのダウンだが、実はこれ、レディースサイズ!
女性規格のアイテムはウエスト部分にシェイプが掛かっているため、体にジャストフィットする。体とアウターの間に余計な空間ができないので保温効果がアップするというわけ。こうしたダウンは小さく丸めてスタッフサックに入れ、コンパクトに持ち運ぼう。
 

メッシュや透明な素材で、識別しやすく

コーヒーギアのセットやジップロックといった細かいアイテムは、すべてメッシュの袋へイン。小ぶりなアイテムたちがバッグの中で散らばるのを防ぐためだ。メッシュ素材をチョイスすれば中に何が入っているのか一目瞭然になるので、こうした収納袋の素材選びも学んでおきたいテクニックのひとつ。
登山中は危険なシーンに直面することも多々ある。荷物を取り出しやすく、どこにあるのかわかりやすくするのは、身の安全にも直結するのだ。
 

硬さのあるアイテムは、柔らかいモノで挟む!

バックパックへの収納方法にも、実はルールがあるそう。カップやバーナーといった硬いアイテムは中央に配置。その両脇にダウンやマットといった柔らかいアイテムを置き、挟むようにパッキングする。背中に硬いモノが当たっていると快適に動けなくなるため、それを防ぐ役割があるそう。
ほかにも、重いものは上に入れることで重さを感じにくくさせる、なんてテクニックも。旅では大荷物を長時間持ち歩くことも多い、これは参考になりそうだ!

工夫次第で荷物は小さく、そして軽量化できる!

パッキングが命に関わると言っても過言ではない登山。そんな中で身に付いたパッキング術は、まさに理にかなっていて、とても役立ちそう。
素材や収納の順番を工夫するなど、取り入れやすいアイデアばかり。アウトドア系の旅行のみならず、さまざまな旅のスタイル、さらには日常生活でも役立つこと請け合い。押さえておいて損はないはずだ。
取材・文=川村しより(RIDE MEDIA&DESIGN)
 


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