男はどうして旅に出るのか? Vol.12
2018.03.29
LEISURE

『アナザースカイ』スタッフが教える、心が震えた“世界の絶景”

特集「男はどうして旅に出るのか?」
なぜ旅は、いつの時代も男心をかき乱すのか。年を重ねると、長旅に時間を割くいとまもないかもしれない。しかしそこには紛れもなくロマンがあり、胸を熱くする体験が待つに違いない。日常を離れ、せっかく遠くへ旅立つならば、心が震える景色を目にしたい。日本から遠く離れた土地を、美しく切り取ることを生業とするテレビクルーが出逢った最高の場所を紹介しよう。

テレビで見かけた異国の風景に目を奪われ、心は彼の地へと旅立つ。リビングで観ている我々でさえ、そうなのだ。現場にいる人の感動といったら如何ほどか。そんな経験を繰り返した人がこれまでで最も心が震えた土地とはどんな場所だろう?

そこで、世界各地の風景・風土を美しく描くテレビ番組の代表格ともいえる『世界遺産』(TBS系列)、『another sky-アナザースカイ-』(日本テレビ系列)などを手掛ける映像制作会社に所属するスタッフふたりに取材。これまでに感銘を受けた絶景について話を聞いた。

[左]ディレクター・八巻尚人さん、[右] カメラマン・勝野 賢さん

 

チェコ共和国・プラハで、RPGの世界に没入する。

彼らが「男旅に最高」と口を揃えたのは、中世ロマンが息づく場所。
そこには男心をくすぐるロールプレイングゲームのような世界が広がっている。

「プラハの夜景は、ため息が出るほど美しい。語り尽くされている言葉ですが、本当に童話の世界に迷い込んだよう。カラクリ仕掛けの時計台に石造りの橋、そして夜の曲がりくねった石畳の道、ぽつりぽつりと光る街灯……。ドラクエの世界のようで心が躍ります。自分が勇者になったみたいな気分になるんです」(八巻さん)。

街の中心部にヴルタヴァ川が流れ、それに架かるカレル橋、そして尖塔が美しいプラハ城が象徴的。東京から約9000km離れたプラハは、現代と隔絶されたかのような印象を受ける。第二次大戦時にドイツ軍の侵攻を受けたが、幸運なことに大規模な戦火には晒されなかった。神聖ローマ帝国、オーストリア=ハンガリー帝国を経て培われた街の美しさが、今も息づいている。

 

グリーンランド・無人島の絶景。極限の状態で思わず叫んだ

氷と緑の大地が広がるグリーンランドの街・イルサリットからボートで3時間ほどで到着する無人島。そこで出逢った風景は、いまもふたりの心に深く刻み込まれているという。

「太陽が真横に動く白夜のなか、1週間の野宿で氷河の映像を狙っていました。夏に行ったので、そこまで寒くなかったのですが、蚊がすごい。キャンプでずっと過ごして発狂するかと思うほど過酷な環境でした。そんな精神的に追い詰められた中で出逢った氷河の絶景。これまで見たことのない景色に自然への畏怖を深く感じました。『自然 対 俺』な感覚です」(勝野さん)。

精神を保つために大声で叫んでいた、というほど、ハードな撮影の中で出逢った絶景だ。全長40km、1日に20〜35mほど流動し、年間200億トンの氷量が北大西洋の海に流れこみ、氷山を形作っている。目の前には圧倒されるほどの大自然が広がっているのだ。

 

微笑みの国・ブータンで出逢った「崖の上の僧院」

最後に教えてくれたのは、厳しさと美しさが表裏一体にある、ブータン王国の“祈りの聖地”。

「標高3000mの切り立った崖に寄り添うように建つ、タクツァン僧院。荘厳な雰囲気で“何か”を感じました。自分たちの文化を守るため、海外の文化を入れないようにしていて、非常に独特な空気。微笑みの国というだけあり、とても人が優しかったのも印象的でした」(八巻さん)。

チベット密教の開祖といわれるパドマサンバヴァが、虎の背中に乗って飛んできて瞑想したという伝説が残されている。タクツァンとは「虎のねぐら」という意味。ガイドをつけないと一般人は自由に見て回ることができない場所である。

 

今回紹介いただいたのは、すべて世界遺産に登録されている土地だったが、これ以外にも世界は美しい景色で溢れている。いくつになっても、冒険へ旅立つには遅くない。男心を震わせる絶景、今年こそ触れてみてはいかがだろうか。

取材=岡野ぴんこ 文=芋川 健

 

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