What’s AIR JORDAN Vol.8
2021.01.14
FASHION

試行錯誤の末の「エア ジョーダン」復活劇。意外と重要な3モデル

「What’s AIR JORDAN」とは……

マイケル・ジョーダンの3度目のNBA引退を境に、「エア ジョーダン」シリーズはシグネチャーモデルの枠を超えた“最上級のパフォーマンスシューズ”というポジションに大きく舵を切っていく。

しかし、その道のりは順風満帆と言うには程遠かった。

マイケル・ジョーダン(右)とティンカー・ハットフィールド(左)。

「エア ジョーダン 23」以降のモデルではナンバリング制が廃止されたり、ファンの間でさまざまな憶測が飛び交ったが、ティンカー・ハットフィールドらのデザイナー陣営は、試行錯誤しながらプロダクトを支え続け、さらなる進化を目指した。

復活の狼煙を上げたのは、ナンバリング制を再導入した「エア ジョーダン 28」の登場だった。

エア ジョーダン 1〜2「名作が持つ光と影」
エア ジョーダン 3〜6「大きく変わった運命」
エア ジョーダン 7〜13「進化の足跡」

 

エア ジョーダン 28(2013年)

シューズ界に革命を起こした近未来デザイン

時が経つにつれ、いつしか「エア ジョーダン」シリーズは、コンテンポラリーなデザインや最新鋭のテクノロジーの実験場となっていた。

約2年の歳月をかけて、ティンカー・ハットフィールドとジョシュ・ハードのタッグが完成させた「エア ジョーダン 28」も然りだろう。

ネオンカラーとブラックのコントラストが近未来的なデザインを引き立てる。

“ステルス”というキーワードからインスパイアされた流線的なフォルム、ファスナーを閉めるとハイカットに変化する仕様は強烈なインパクトを残した。

ファスナーを開くと内部のシューレースが顕になる。

こうしたビジュアル面にも驚かさせるが、アウトソールの前後に搭載された「ズーム エア」、靴底の全面に敷いた「フライト プレート」などの効果によりパフォーマンスを劇的に向上させたことも見逃せない。

ティンカー・ハットフィールドによる「エア ジョーダン 28」のデザイン画。

歴代モデルの中でも非常に軽量であったことも特筆すべき点である。

NEXT PAGE /

エア ジョーダン 29(2014年)

ウーブンアッパーによる史上最軽量のジョーダン

「史上最軽量のエア ジョーダン」というコピーを掲げ、2014年に登場した「エア ジョーダン 29」。

革命的な素材使いで前作とまったく異なるスタイルを披露。

これまでのバスケットシューズの常識を覆す一枚仕立てのウーブン素材のアッパーは衝撃だった。デザインを手掛けたのはもちろん、ティンカー・ハットフィールドだ。

マイケル・ジョーダン(右)とティンカー・ハットフィールド(左)によるプレゼンテーションでのひとコマ。

劇的な軽量化に加え、「エア ジョーダン 29」が手にしたのは、進化した「フライト プレート」による抜群のフィット感だった。

つまり、2つの革新的なテクノロジーの融合によって、あたかも一人ひとりのアスリートに合わせたかのようなプレーを可能にするシューズが完成したのだ。

編み込みで自在に柄を表現できる点もこのモデルの魅力だ。

ニット状のアッパーであることから、さまざまなグラフィックが落とし込まれたモデルが次々とリリースされた。

 

エア ジョーダン 30(2016年)

マイケル・ジョーダンの功績を讃えた“宇宙”

デビューから30年以上の年月が経ち、バスケットプレーヤーとして独自の世界を築き上げたマイケル・ジョーダンの功績を讃え、そのパイオニア精神を「宇宙」にたとえてデザインされた「エア ジョーダン 30」は、歴代モデルのなかでも記念碑的なモデルである。

ジャカード編みによるアッパーのきめ細やかなグラデーションに注目。

「フライニット」を用いたジャカード構造のアッパーはすこぶる軽く、伸縮性はもちろん、通気性にも優れている。

さらには「ズーム エア」と前足に内蔵した「フライト スピード」の相乗効果で抜群の反発力を実現した。

シュータンには地球のグラフィックが描かれ、ノースカロライナ州の位置には青いドットが入る。

モデルに起用されたラッセル・ウェストブルックをはじめとするジョーダンをリスペクトするプレーヤーに愛用されることで「エア ジョーダン」のDNAは継承されていく。

 

常に先だけを見据えてきた「エア ジョーダン」は、次作で原点回帰を図る。自らのルーツであるファーストモデルへリスペクトを捧げた「エア ジョーダン 31」。それに続く“32”も、そのスタンスは変わらなかった。

「What’s AIR JORDAN」とは……
オークションではマイケル・ジョーダン本人が着用していた「エア ジョーダン 1」が61万5000ドル(約6600万円)で落札。彼が現役引退してからも派生モデルは増殖し、比例するように熱狂的マニアも後を断たず。エア ジョーダンって一体、なんなんだ?
上に戻る
戸叶庸之=編集・文 ナイキジャパン=写真
# ナイキ# エア ジョーダン# スニーカー
更に読み込む