この記事では、「スマートカジュアルとはどういう服装なのか」の詳細な説明と、コーディネートに使える定番アイテムの解説、年代・季節別のコーディネート例を紹介しています。
高級レストランやホテルでのデートや会合などで、ドレスコードが「スマートカジュアル」とわかり戸惑って調べている人もいるかもしれません。
スマートカジュアルと言われると「いつもよりはきれいな格好かな?」と思うものの、実際はどんな格好をすればいいのか不安に感じていませんか?
この記事を読めばスマートカジュアルについて一通りの知識が手に入ります。
大切なデートや会合の場で、服装で恥をかいて居心地の悪い思いをしないためにも、しっかりと知識を身につけてTPOに合わせて服を選べる大人の男性にランクアップしましょう。
スマートカジュアルとは?
スマートカジュアルとは、フォーマルやセミフォーマルのように、明確な決まりがあるわけではありませんが、きちんと感があり、上品・上質などの洗練された雰囲気を求められる服装です。
普段着ている手持ちの服で、そんなきれいな格好ができるアイテムを持っていない場合、困ってしまうかもしれませんね。実際のスマートカジュアルは、ホテルやお店によって解釈が少し違うケースがあります。
しかしスマートカジュアルの基本的な考え方をマスターしてしまえば、コーディネートのバリエーションもつくれますし、応用が効きます。
まずは「スマートカジュアルとはどんな服装を指すのか」をしっかり把握しましょう。
スマートカジュアルの定義
スマートカジュアルとは、ドレスコートのフォーマルさの上から、フォーマル(正装)、セミフォーマル(準正装)、インフォーマル(略礼服)の次にあたる4番目のドレスコードです。
結婚式の二次会、高級レストラン、カジュアルな職場などで求められる服装になります。
スマートカジュアルの基本はジャケパンスタイル
スマートカジュアルの基本のスタイルは、ジャケットにパンツを合わせたジャケパンスタイルです。
しかし夏場の暑い時期のジャケット着用は、必ずしも必要ではありません。暑いところを我慢してジャケットを着用し、汗をかいている様子は見た目にもよくありません。夏の暑い時期は、ジャケットを羽織らずに、上品に見えるポロシャツ、半そでの襟のあるシャツだけを着用すれば問題ない場合も多いです。
またスマートカジュアルではネクタイは必要ありません。
一流ホテルや高級レストランの解釈
一流ホテルや高級レストランのドレスコードがスマートカジュアルとなっている場合、「サンダル、タンクトップ、短パン、ダメージジーンズなどカジュアルすぎるアイテムはご遠慮ください」の意味の場合があります。
「他のお客様にとって、迷惑とならない服装でお願いします」といった感じでしょうか。
デニムでもキレイ目な濃い色のものや革靴以外の靴など、カジュアルアイテムでも問題ない場合もあります。
しかしカジュアルアイテムを取り入れる場合もカジュアル:フォーマル=5:5を越えないよう意識するのがよいでしょう。
そしてドレスコードをスマートカジュアルとしているお店のすべてが、「カジュアルアイテムでもキレイ目ならよし」としているわけではありません。
フレンチの高級店でのディナーの時などは、やはりしっかりジャケパンスタイルに革靴で行かないと浮いてしまうことがあります。事前にお店に電話やメールで確認する方が安心です。
メンズスマートカジュアルの定番アイテム
ここからスマートカジュアルでコーディネートに使える、定番アイテムを紹介していきます。
色味も地味目な定番アイテムをワードローブに持っておけば、急に必要になった場合にも対応できます。それぞれの定番アイテムはどんなものを選べばよいかも解説します。スマートカジュアルの基本のアイテムを理解しましょう。
テーラードジャケット
ジャケットは、落ち着いた雰囲気のテーラードジャケットが基本です。
色はまず黒やネイビー、ダークグレーなど、ダークカラーのものをそろえましょう。ジャケットは素材にも注目しましょう。薄くペラペラした素材のジャケットでは、安っぽく見えてしまいスマートカジュアルの上品さが出せません。
ある程度しっかりした素材のものであれば、単品でもセットアップでもOKです。基本的には無地の生地のジャケットですが、目立たないシャドウストライプやチェック柄などでも問題ありません。結婚式の二次会などの華を添えたいシーンでは、チェック柄でおしゃれにコーディネートするのもおすすめです。
無地シャツ
インナーは襟付きの無地のシャツが定番です。
白ならどんなジャケット・パンツとも合いますが、ビジネスの場ではないので、カジュアルにブルーやピンクを選ぶのもよいでしょう。ブルーは爽やかに、ピンクは華やかな印象になり女性ウケもよいのが特長です。光沢感のないオックスフォードシャツもおすすめです。
ネクタイが必須ではないので、オックスフォード生地のボタンダウンシャツは、首元のバランスがよく見えておしゃれに着ることができます。襟の形は他にもホリゾンタルカラー、イタリアンカラーなどもバランスよく着こなせる選択肢です。
また無地が基本ですが、胸元にワンポイントの刺繍などがあるものでも大丈夫です。2枚目に用意するなら、ストライプのシャツやチェックシャツに挑戦するのも楽しいでしょう。
ポロシャツ
夏の暑い時期にジャケットを羽織るのがむずかしい場合は、襟付きのポロシャツを着用することでスマートカジュアルとして成立させられます。
しっかりキレイ目をキープできるアイテムを選びましょう。ポロシャツの裾はインでもアウトでも構いませんが、靴を革靴にするなどバランスの工夫もしてみてください。
高級レストランでのディナーの時には、ポロシャツだと浮いてしまう可能性があります。先にお店に「ポロシャツでも問題ないか」を確認してしまった方がよいかもしれません。
スラックス
パンツはキレイ目に着こなせるスラックスが定番です。センタープレスでウールなどの素材、ジャケットと合わせた落ち着いた色味のアイテムを選んでください。カジュアルダウンする場合は、コットンのチノパン、濃い色味のデニムなどでもOKです。しかしシルエットは細身のモノを選ぶのが鉄則です。
あくまでキレイ目に見える必要がありますので、ダボっとしたパンツ、オーバーサイズのパンツは相応しくありません。
ローファー
足元は、スマートカジュアルのコーデで使いやすいローファーがおすすめです。
コインローファー、タッセルのついたものなどいろいろな種類がありますので、お気に入りを探すのも楽しいでしょう。色はブラウン系を選ぶと適度にカジュアルダウンできるので、コーディネートしやすく見た目にも映えます。
20代メンズのスマートカジュアルおすすめコーデ4選
シンプルな着こなしが映える1つボタン
幅広い着こなしに使えるシンプルな1つボタンのテーラードジャケット。
白のバンドカラーシャツもボタンを上まできっちりしめて、きちんとした清潔感のある着こなしになっています。シンプルでありながらおしゃれに見える好感度の高いお手本コーデです。
王道ベージュ×黒×白
流行に左右されない2つボタンのテーラードジャケット。
素材感がほどよくカジュアルなため普段使いで活躍する、持っていると便利なアイテムです。王道のベージュ×黒×白の配色は誰でもすぐマネできるので、是非挑戦してみてください。
あたたかみのある冬のスマートカジュアル
ジャージ素材をボンディングしたほどよい厚みのある生地と柔らかな肌触りが特徴のセットアップ。
白のハイネックのニットがほどよくカジュアルでありながら、かわいらしさも感じさせる女性ウケのよいコーデです。
ストレッチデニムのシンプルコーデ
ストレッチデニムのセットアップはカジュアルでありながらスマート。
ジャケット単品でも普段使いで活躍すること間違いなしです。インにしたネイビーとグレーのボーダーの抑えた色味バランスがおしゃれです。
30代メンズのスマートカジュアルおすすめコーデ4選
飽きのこないベーシックの強み
抜け感のあるラフな着こなしやカジュアルな仕事着にも活用できる使い勝手のよいセットアップ。黒Tシャツに白スニーカーのコーデは基本ですが、かっこよく見せてくれるのはシンプルベーシックのパワーです。
グレンチェック柄でおしゃれ見え
ストレッチの効いたポンチジャージ素材、グレンチェック柄のセットアップです。黒のニットと革靴のシンプルコーデがセットアップの柄の華やかさを盛り上げます。着心地の良さと上質感を合わせ持ったコーデです。
カジュアルダウンの見本、色合わせの技
ブルーのケーブルクルーネックニットと、ベージュのスエード靴がほどよくセンスのよい抜け感をつくっています。動きやすいジャージ素材のセットアップで、ジャケットの胸ポケットは柄の袋布、ラフに出して着用もできるようにポケットチーフ仕様になっています。
Vネックとローファーの好バランス
イタリアのファブリックメーカーの生地を使用した落ち着いた千鳥格子柄セットアップ。
Vネックのインナーが男らしく、くるぶし丈のパンツとローファーの組み合わせで、首元・足首の肌が見える、抜け感のあるコーデになっています。
40代メンズのスマートカジュアルおすすめコーデ4選
ブラウンの靴はコーデの優秀アイテム
チャコールグレーのツイード見えジャージ素材のセットアップです。
インナーに黒のニット、足元をダークブラウンのスエード・コインローファーにして上手にカジュアルダウンしています。足元を黒の革靴からブラウンのスエードに変えるだけで、イメージはかなり変わりますので、是非試してみてください。
白のパンツを合わせて軽やかに
オン・オフ兼用で着用できる汎用性の高いメランジジャージージャケット。
白のパンツはいろいろなジャケットと合わせて、爽やかなコーデを作ってくれる優秀アイテムです。メガネのフレームと足元のローファーの色がリンクしており、さりげない統一感があるおしゃれなコーデです。
オーソドックスなパネルボーダーをイン
レギュラーフィットのセットアップのインナーに、すっきりしたパネルボーダーを合わせた、爽やかでさりげなくおしゃれなコーデです。パネルボーダーの白部分と足元の白スニーカーのバランスが絶妙です。
カッタウェイならきちんと&ラフが同時に叶う
清涼感のある吸水速乾素材のジャージジャケット。フレンチリネンのカッタウェイカラーシャツをインにして上品な爽やかさを演出しています。足首が見えるパンツの丈と、ローファーのバランスコーデは是非やってみてください。
50代メンズのスマートカジュアルおすすめコーデ4選
ベージュのセットアップで簡単おしゃれ見え
アメリカントラディショナルの夏の永久定番素材T/Cポプリンのセットアップ。ニットタイと、足元はベージュのワラビーブーツでカジュアルダウンしています。シャツのブルーが爽やかです。
繊細なグレナカートチェックでニュアンスを
ダークブラウンの繊細なグレナカートチェックは他にないニュアンスのある色味で、着るだけでこなれた感じになるセットアップ。黒のニットとスエードのワラビーブーツが、カジュアルダウンを果たし、シンプルなセンスの良さを感じさせます。
涼し気なライトグレーのジャケットを
夏場でも爽やかに着こなせる、吸水速乾素材ライトグレーのグレンチェックジャケット。ネイビーのポロシャツをインにして、涼し気な白のパンツと合わせ、きちんとした夏のお手本コーデになっています。
あたたか冬素材が楽しいコーデ
上質なカシミア混ウールのジャケット。ダークブラウンのコーデュロイパンツとスエードのローファーと合わせて、冬素材を存分に楽しめるコーデになっています。シンプルながら、女性ウケもよいコーデです。
春秋のおすすめズマートカジュアルメンズコーデ3選
サファリシャツをジャケットに
サファリシャツをジャケットとして着用したカジュアルダウンしたコーデ。ボトムスの大人っぽいチャコールヘザーのカラーリングもかっこいい、男らしいスマートカジュアルです。
さらりと羽織れるカーディガン風
カーディガンとジャケットを組み合わせたような仕様のジャケットは、楽にキレイ目コーデを叶える優秀アイテム。インナーのパープルのジャージーシャツは肌なじみがよく着心地抜群。チノパンと合わせてラクチンでありながらシャープさも忘れないコーデです。
春カラーのキレイ色スマートカジュアル
上品なネイビーのジャージジャケットに春色ピーコックグリーンのチノパンを合わせました。靴もベージュのスエードスニーカーで春の明るい気持ちを反映したスマートカジュアルです。
夏のおすすめズマートカジュアルメンズコーデ3選
夏はキレイ目シルエットのポロシャツを
生地の良さとシルエットの美しさが際立つシンプルなポロシャツ。台襟付きのニット襟デザインで、ジャケットのインナーとしても活躍します。さらりと上品で高級感のある大人のポロシャツです。
カーキのセットアップは黒×白と合わせる
着まわしやすいカーキのセットアップです。吸水速乾なので、汗をかく季節でもさらりと着こなせます。インナーを白Tシャツ、足元をブラウンのローファーにするのもよいバリエーションです。
リネンミックス生地の心地よさ
ポルトガルのスーツ生地メーカー、オリベイラ社の生地を使用したセットアップ。シルエットはベーシックですが爽やかなウインドウペン柄は、いろいろな色とも好相性です。色使いで自分の個性を追求してみるのもおもしろいセットアップです。
冬のおすすめズマートカジュアルメンズコーデ3選
柔らかい色合わせで穏やかな雰囲気に
軽やかで暖かみのある冬のセットアップ。均一ではない数種類の糸を織った生地は秋冬にぴったりのナチュラルな風合い。キャメルのハイネックニットが上質感をアップしています。
美シルエット・ニットジャケットの存在感
フラットでなめらかな表面感の生地を使用したチェック柄ジャケット。羽織るだけでさまになる秀逸なシルエットと着心地はコーデの主役になります。ボトムスはスキニーでコンパクトにまとめています。
トーナルカラーの柄ジャケットを使いまわす
素材芸術作品よりインスパイアされた柄をダブルジャガード織りした素材のセットアップ。総柄なのでコーデしにくいかといえば、トーナルカラーなのでむしろコーデしやすく、ネクタイをしてビジネスで使うことも可能です。
まとめ
スマートカジュアルのコーディネートを紹介してきましたが、雰囲気はつかめたでしょうか?
スマートカジュアルのコーディネートは「靴でカジュアルダウンする」「使う色は2、3色まで」「上品・上質を心がける」などいくつかルールがあります。基本の考え方を身につけてしまえば、自分なりのコーディネートを楽しめます。
スマートカジュアルのアイテムを購入する、コーディネートを考える際には、是非この記事の内容を参考にしてください。
スマートカジュアルを「いつもと違う格好をしなくてはならないハードルの高いもの」と考えるのではなく、積極的にドレスコートを理解してTPOに沿った服を身に着けて、いつもより少し高級なお出かけを楽しんできてください。