乗りたかったのは、キブンが乗るクルマ Vol.266
2021.08.02
CAR

「純粋にキャンプを楽しむために」7年間乗り続けたトヨタ・プリウス

俺のクルマと、アイツのクルマ
男にとって車は名刺代わり。だから、いい車に乗っている人に男は憧れる。じゃあ“いい車”のいいって何だ? その実態を探るため「俺よりセンスいいよ、アイツ」という車好きを数珠つなぎに紹介してもらう企画。


■25人目■
有馬研悟さん(41歳)

アリマケンゴ。都内に美容室を構えるCREATE A CULTUREの代表取締役。休日はキャンプとサバイバルゲームを楽しむ。妻と2人の子供の4人家族で埼玉県在住。美容室はこちら


■トヨタ プリウス■

ハイブリッドカーの代表、プリウスの3代目。1.8Lエンジンにモーターを組みあわせたハイブリッドシステムは2.4L車なみの動力性能と、当時世界トップとなる10・15モード燃費38.0km/Lを実現した。モーターのみで走る「EVドライブモード」も装備。この3代目は最も売れたプリウスと言われる。


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“映え”ではなく、純粋にキャンプを楽しみたい

有馬さんにとって、愛車プリウスはザックだ。

「街でもキャンプ地でも、いろんなところへ気を使わずに使えます。大き過ぎず小さ過ぎず、重過ぎず軽過ぎす、丁度いいザックみたいな車です」。

プリウス以前、有馬さんの生活に車は必要なかった。「10代の頃に、角張った日産セドリックを買ったことはあります。仲間も同じような車に乗っていたし、そういうのにみんなが憧れていた時代でしたよね」。

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しかし20歳になって就職で埼玉県所沢市にやってきてから車を手放した。車がなくても問題なく暮らしていけたからだ。

その後結婚して、子供が生まれ、独立した7年前にこのプリウスを購入した。

「子供が生まれたことで、買い物とかに車があったほうが便利だなと思ってプリウスを選びました。理由は…… まあいちばん売れてる車なら、間違いないだろうっていう単純な理由です(笑)」。

プリウスを買ってからほどなくして、有馬さんはキャンプへ行くようになる。

中古で200万円くらいで購入。購入時の走行距離は3万km後半だったが、今ちょうど5万9000km。

「業界内の交流のような形でキャンプに参加したのがきっかけで、どんどんハマっていきました。ひと昔前なら交流のための遊びといえばゴルフなどなんでしょうが、僕らの世代はキャンプなんです」。

もちろんそのときも、そして今でもキャンプへはプリウスで出掛ける。周りから「なんでプリウス?」と言われたが、「キャンプは“映え”のためじゃなくて、現地で楽しい体験をするために行くわけですから」。

だから見た目が“映える”車は必要ない。

キャンプ道具一式を揃えて以降、同じギアでもより軽量なものやコンパクトなもの、先輩たちから勧められたものなど、“体験”のための道具にお金を使うようになった。

「キャンプって超贅沢な“おままごと”ですよね」。

あっという間にプリウスのラゲッジは一杯になったが、ギアのコンパクト化などでしばらくは何とかなった。しかしさすがに家族4人でキャンプへ出掛けようとすると、バックミラーで後ろを確認しずらくなってきた。

ルーフキャリアに載せる荷物は、基本濡れてもいいやつを。寝袋などは車内へ。

そこで有馬さんはルーフキャリアを購入した。もっとラゲッジの広い車を購入する選択肢もあっただろうに「車を変えるとなれば最低でも数十万でしょ? でもキャリアなら数万円で済むじゃないですか(笑)」。

そう、お金をかけるのはあくまでキャンプでの“体験”のためなのだ。

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よくやってくれるな、この子は、という感じ

プリウスは有馬さんの妻の日常の足としても重宝している。家族との買い物にも使っている。家族で千葉まで帰省した際は、実家でもらった野菜をたっぷりルーフに載せて帰ってくるそうだ。

75Lのコンテナボックスは、車内に入れることも全然可能だ。

もちろん燃費はいいし、キャンプ地へ行く道中も快適だという。

「乗り心地はいいし静かだし。高速道路でもビシッと安定して走るし。つまりキャンプで辛い『移動時間』が快適に過ごせるんですから、文句なんてありませんよ」。

“ふもとっぱら”がいちばん多く行くキャンプ地。猿ヶ京温泉あたりもお気に入りだ。

キャンプ地は今やほとんどが舗装路だから、4WDがなくても困らないという。ときどき轍で車の腹を擦るがお構いなし。

そしてもし壊れても、プリウスは修理代が安いのがいいと有馬さん。売れている車ゆえ、交換パーツも豊富らしい。既に何度かバンパーを割ってしまい、取り替えている。「ほんとよくやってくれるな、この子は、という感じです」。だから愛着もひとしおだ。

現在のキャンプ頻度は2カ月に1回くらい。どうしても仲間がつかまらないときはソロキャンプも楽しむ。

家族でも行くことがあり、中でも2人の子供は大自然で気持ちが開放されるようで、とても楽しんでいるという。

日中外で遊び回った彼らは、夜になるとテントの天井にプロジェクターで映像を流し、一晩中動画を見ているそうだ。「普段なら夜更かししていると僕や妻に怒られるんですが、キャンプのときだけは親公認で夜更かしできますから。ホントに楽しそうにしてますよ」。

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次はキャンプの気分をアゲてくれる一台を

最近お気に入りのキャンプの楽しみ方は「有馬温泉です」。えっ!? あの兵庫県の?

「いえいえ(笑) ビニールプールに水を入れて、その水を循環させるポンプがあるんですが、蛇腹状のスチール製の熱交換器とポンプを繋げて使うんです。蛇腹の部分をたき火で温めるとプールの水を温水にできて、これに入るのが気持ち良かった!」。

「有馬温泉」をやると蛇腹部分がどうしてもスス臭くなる。車内には入れたくないが、そんなときもルーフキャリアが役に立つ。

有馬さんは自ら設営するこのお風呂を「有馬温泉」と名付けた。夜の星空の下で入る「有馬温泉」は仲間たちにも大いに好評だという。

サバゲー+キャンプという楽しみ方にもハマっている。「サバゲーのフィールドに併設されているキャンプ地もありますし、すぐ近くにあるという場所もあります。現地へ行ってキャンプして泊まり、翌朝はサバゲーを楽しむという感じです」。

もちろんビニールプールも循環ポンプも、サバゲーのエアソフトライフルもプリウスに載せられる。

けれど購入から7年、もうすぐ4回目の車検だ。

「それもあるんですが、実は最近異音がするようになって」。修理工場で見てもらったら、どうやら手の届かない所に、外れた部品か何かが入り込んでしまったようだという。

「それで、実はもうランドローバー・ディフェンダーを予約しちゃったんです」。

なんと!  プリウスとは随分かけ離れちゃいましたね。

「そうなんです。どうせ車を買い換えなきゃいけないなら、やっぱり運転してる時間も“いい体験”になる車にしようと」。

ディフェンダーは「ディーゼルエンジンを搭載する、恐らく最後のモデル」と友人に勧められ、それならば乗れるときに乗っておこうと思ったそうだ。

確かに先日、レンジローバーは2030年(あと9年!)には全車種を電動化すると宣言した。

ルーフに荷物を山積みにして、数え切れないほど腹を擦り、バンパーを何度も取り替えたプリウス。

キャンプを楽しむことを第一に、この車に乗り続けたからこそ、次は「移動もいい時間」にするための新しいザックを背負うことを決断できたと言えるだろう。

鳥居健次郎=写真 籠島康弘=取材・文

# アウトドア# トヨタ# プリウス#
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