日本のHIPHOPシーンで発生した大きなビーフ
2025年の日本のHIPHOPシーンを語る上でどうしても避けては通れない出来事といえば、NENEが6月20日にリリースしたディス曲「OWARI」である。
大きな波紋を生んだこの曲は、ちゃんみなやSKY-HI、HANA(BMSG所属のグループ)などを名指しでディスる内容であり、HIPHOP界における「ビーフ」の文化が改めて注目を浴びるきっかけとなった。
NENEは2010年代からゆるふわギャングというHIPHOPグループの一員として活躍するラッパーであり、キャリアの早い段階から海外と日本の両方で活躍し、世界を舞台に戦っていた生粋のHIPHOPアーティストである。そんなNENEから名指しを受けてSKY-HIもアンサー曲を返すなど、ビーフの応酬が続き、さらにNina Utashiroという抜群のセンスを持つアーティストも「mood:bored 」というNENEに向けたディス曲でこのビーフに参加し、日本のHIPHOPシーン、エンタメシーンともに盛り上げた。
このビーフのやり取りは私のYouTubeチャンネルで取り上げており、プレイリストも作ってるのでチェックしていただきたい。
▶︎ビーフ解説のYouTubeはこちら!このビーフによって「パクリとは何か?」や「HIPHOPとJ-POPの違いとは何か?」、「ちゃんみな氏はHIPHOPのチャートに乗るべきなのか?」などの話題を筆頭にさまざまな論争を生んだのである。
この騒動はHIPHOP界以上に、普段ビーフの文化に触れて来なかった多くのBMSGファンに衝撃を与え、日本のエンタメ界全体に対する大きな影響を与えた。

2025年のHIPHOPシーンは、商業的な成功よりも文化的な価値を重視する動きが加速し、アメリカでは物質主義的なテーマに飽きたリスナーが新たな潮流へと関心が移行。日本のシーンも注目を集める年となった。より日米の繋がりが強まっていく中で、今アメリカで起きている変革の波が近い将来日本にも押し寄せると私は予想している。
2026年は、これらの変革を受け、アーティストたちが何を歌い、リスナーが何を求めるのかが鍵となるだろう。日本のHIPHOPシーンのさらなる成長を期待しつつ、今後もその動向に注目したい。
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