トヨタ「ランドクルーザーFJ」のプロトタイプ。
ついに姿を現した、“ランクルミニ”こと、「ランドクルーザーFJ」。
ジャパン・モビリティ・ショー2025でお披露目されたその姿は、ランクル一族の末弟に相応しい、武骨で、タフなスタイルだ。
果たして販売時期は? 価格はどうなる?
歴代ランクルをギュッと凝縮したような“ランクルミニ”

車名の末尾につく「FJ」とは「自分らしく楽しむ自由(Freedom&Joy)」を意味する。
例え小さくても「どこへでも行き、生きて帰ってこられる」。それが「ランドクルーザー」という名を背負う者の宿命だ。それゆえ、今どき珍しい、けれどランクルとしては当たり前の、ラダーフレーム構造が採用されている。
ラダーフレーム構造とは、はしご状の頑丈なフレームにボディを載せる車体構造のこと。頑丈さと耐久性に優れ、悪路走破性も高くなる。
ボディサイズは全長4575×全幅1855×全高1960mm。
これはボディとフレーム一体型の、昨今のSUVとの大きな違い。同じトヨタ車のRAV4は、サイズ感こそランクルFJと同じだがモノコック構造(フレームとボディ一体型)を採用しており、その性格がまるで違うのだ。
しかもパワーユニットは、兄貴分のランクル250に搭載されている2.7Lガソリンエンジン。小っちゃいのに、強心臓!
車両姿勢が認知しやすい水平基調のインストルメントパネル。
さすがに、肝心の「ラダーフレーム」は兄貴の“お下がり”ではないが、同社のピックアップトラック「ハイラックス」と同じIMVフレームが採用された。だから「RAV4」なみのサイズに抑えることができたのだ。
悪路走破性は、“ランクル70”のショートボディと同等。インパネデザインは兄貴の“ランクル250”に近く、展示車はフル液晶メーターパネルと大型ディスプレイを装備し、ステアリングホイールにも運転支援機能やオーディオ等の操作ボタンが揃う機能満載系が奢られていた。
バックドアは横開き。スペアタイヤを背負うため、跳ね上げ式だと開閉時の負荷がかかってしまう。
また、シフト回りにはH2/H4/L4のセレクターや、リアデフロックスイッチ、2速スタートスイッチを、運転中でも操作しやすいよう傾斜に並べて装備。
先進運転支援機能も当然備わるはずだが、サイドブレーキは電磁式ではなくレバー式なので、おそらく渋滞での停止時には自分でブレーキペダルを踏む必要はあるだろう。けれど、ランクルFJに渋滞時の快適性まで求めるのは、おそらく日本の都市部のユーザーくらいかも。
何しろランクルFJは、(ほかのランクルシリーズ同様)世界中から望まれて産まれてきた車。東南アジアやアフリカ、中近東、中南米など、舗装どころか、時には道にもなっていないような所を通って人や荷物を運ばねばならぬ人々から熱望されているのだ。
こうした地域では、もちろんランクル70や250がすでに活躍しているのだけれど「もう少し小さくて、安いとうれしい」のは、全世界共通。
それゆえ、ランクルFJの価格は「(250はもちろん)70より安い価格レンジになる」という。つまり400万円台前半、下は300万円台もありうる!?
フロント、リヤともにコーナーバンパーを取り外し可能な分割タイプなので、壊れた部分のみ交換できて経済的。
日本では2026年夏あたりの販売が予想される。あと半年もある、なんて悠長に構えちゃいけない。世界レベルでの争奪戦は必至だ。