連載:俺のクルマと、アイツのクルマ男にとって車は名刺代わり。だから、いい車に乗っている人に男は憧れる。じゃあ“いい車”のいいって何だ? その実態を探るため、数々の車好きに話を伺っていく企画。
【写真26点】「『殴り合いだけでここまで来た』ホンダからフェラーリへ。井岡一翔の拳が掴んだ“ボクシングドリーム”」の詳細を写真でチェック目黒の住宅街に静かに止まった「フェラーリ・ローマ(Ferrari ROMA)」。冬の光を浴びて際立つボディラインに思わず目を奪われる。

そのステアリングを握るのは、世界4階級制覇のレジェンドボクサー・井岡一翔さんだ。フェラーリの静謐さと、彼の落ち着いた雰囲気がマッチする。
「なぜこの車を選んだのだろうか?」。 その思いを彼自身の言葉から紐解いていこう。

■71人目
井岡一翔さん(36歳)
井岡一翔(いおか・かずと)⚫︎1989年生まれ、大阪府出身。アマで北京五輪を目指すも代表決定戦で敗れ、大学を中退してプロ入り。デビューわずか7戦目で世界王座 を獲得し、平成生まれ初の世界王者となる。その後、WBC・WBA統一王座、日本人最速の 二階級制覇、さらに 三階級制覇、四階級制覇(日本人初)を達成。現在はバンタム級に階級を上げ、12月31日(水)・大田区総合体育館でのWBA世界同級 王座挑戦者決定戦で「マイケル・オルドスゴイッティ」に挑む。
井岡さんがこの車と出合ったのはライフステージが変わりはじめた頃。家族ができ、日々の過ごし方も、移動のスタイルも、少しずつ変化していった。
「車は好きでいろいろ乗ってきたんですけど、今は妻と2人の子供もいる。となると、どうしてもファミリーカーが必要になってきますよね」。
メルセデス・ベンツの「ゲレンデ」に乗っていた時期もあったが、いまでは妻も日常的にゲレンデを運転するようになり、“家族用”と“自分が乗りたい車”を分ける流れになっていった。

「僕が車を使うのは、ほとんどジムへの移動か自分の用事だけ。そう考えたら、大きさは求めなくていいなと。昔、ランボルギーニに乗っていたこともあったので、『久しぶりにスポーツカーに乗りたいな』と思ったのが購入のきっかけです」。
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