何事も“やり抜く”。この価値観を広げていきたい

岡田さんが率いる「プログリット」は、2016年に創業すると徐々に売り上げを伸ばし、22年に上場するとさらに急上昇。レッドオーシャンな英語学習市場にあって、なぜここまでが支持されるのか。
「従来の英語業界は、英会話レッスンを提供する代わりにお金をいただくというモデルでしたが、私たちはそうではありません。
他力本願で英語力は絶対に上がらないのでお客様に努力をしていただく、その努力をサポートすることが我々の使命です。そこを評価していただいているのだと思います。
ちなみに社名は『PRO(前進)』と『GRIT(やり抜く力)』を組み合わせた言葉で『やり抜く力で前進する』という意味。お金を払ったから英語力が上がるなんてことはなく、やはり努力が必要。それを決意した人のサポートを、他社が絶対にできないレベルでやるのが弊社の特色です」。
プログリットのコンセプトは“やり抜く”。この価値観を広げていきたいと岡田さんは続けるが、その姿勢は社員の育成にも反映されている。
「もちろん社員に語学力や営業力など、専門性の高い能力があるに越したことはないですが、その前にいち人間として成長してほしい、それができる会社でありたいです。
例えば挨拶ひとつをとっても、出退勤をする際は大きな声で挨拶をして、みんなが返すことや、お客様が受付にいらしたら元気に挨拶をするとか。特別な能力を伸ばす前に、人として当たり前のことを“やり抜く”ことで人間性を磨いてもらいたい」。
インタビュー終了後、岡田さんは取材班を見送るべく、エレベーターの前まで来て「本日はありがとうございました」と言いつつ、深々とお辞儀をする。冒頭で挨拶をしてくれた人は、おそらくこの姿を追いかけているのだろう。人として当たり前のことを“やり抜く”姿を。