OCEANS

SHARE

自然を身近に感じられるよう、自社メディアを立ち上げ


advertisement

そして、誰もがアクセスできるコンテンツ「WILD MIND GO! GO!」の発信だ。

「自然体験のエッセンスを伝えることを目的にしています。実は身近でできることなのに、意外と気づかないケースってありますよね。『WILD MIND GO! GO!』では、そうしたテーマを講師の方に解説していただき、その内容を公開しています。記事を読んだ方が実際に行動に移すことで、自然や環境に興味を持つきっかけになればと考え、スタートしました」。

「WILD MIND GO! GO!」には、もうひとつの狙いがある。カシオの知名度を活かし、関わる人々の活動そのものにも好循環を生み出したい、そんな思いが込められているのだ。
advertisement



「講師の方の中には、個人での活動が知られている方もいれば、まだ広く一般には届いていない方もいます。そんな方々の発信を、カシオというブランドを通じて後押しできれば、認知度の向上にもつながる。そのサポートができるのは私たちにとってもうれしいことです。

カシオ製品は多くの人の生活に密着していますから、その利点を活かして媒介者になれればと考えています。これは、Gショックをはじめとするコラボモデルと同じ発想ですね」。

一方で、カシオ全体としての「モノづくり」に対する姿勢も力強い。

「年に一度、社員向けの技術展示会を開いています。各部門が取り組んでいる技術やアイデアを広く出品する場で、環境素材に関する提案も多種多様に集まります。

製品化のはるか手前の段階にある自由な発想のプロトタイプも多く並び、各事業部が日々挑戦を続けていることを実感できる機会です。もちろん、そのなかから社内基準をクリアすれば、実際の製品に採用されるケースもあります」。



長年にわたり環境課題と向き合ってきたカシオ。これまでの取り組みを振り返りつつ、いま新たに描いている目標とは何なのだろうか。

「時計を例にとると、すでにバイオマスプラスチックへと置き換わっている部品もあります。ただ、内部にはまだ金属とプラスチックを併用している部分が多く残っている。製品の品質を確保しながら代替するには、さらなる技術革新が不可欠です。その課題を乗り越えるべく、現在も開発を進めています」。


環境への挑戦にゴールはない。小さな挑戦の積み重ねが未来を変えていく。カシオはその歩みを止めることなく、持続可能な社会へ確かな一歩を刻み続けている。

古末優一=写真 佐々木彩=取材・文

SHARE

advertisement

次の記事を読み込んでいます。