連載「業界人! スニーカーハンター」とは……スタイリストの平健一さんと、アトモスのディレクターを務める小島奉文さん。実は同級生というこのおふたりがナビゲーターする人気企画が、「業界人!スニーカーハンター」である。
通算第12回目は、こがけんさんが今夢中になっているという、ニューバランスの3足について語り合う。大いに盛り上がり、話はいつしかニューバランスから脱線。
こがけんさんの“スニーカーの目覚め”には、実はお母さまとお姉さまが関係していた、というエピソードまで明らかに。必読です。
【メンバープロフィール】 | 平 健一 スタイリスト。アウトドア系のスタイリングを得意とし、雑誌、ウェブ、広告からドラマの監修まで幅広い分野で活躍。グリップスワニーのアドバイザー、山形県「五色温泉オートキャンプ場」のアドバイザーも務めている。instagram @runrun1980 |
| 小島 奉文 アトモス シニアディレクター。日本のみならずアジア、アメリカ、ヨーロッパと、世界中のスニーカー事情に精通。言葉の端々に最新のスニーカー情報が含まれているのでご注意あれ。平さんとは文化服装学院時代の同級生でもある。instagram @koji198139 @koji198139 |
| こがけん 福岡県久留米市出身。歌ネタ、ハリウッド映画のものまねなどを得意とする。ピン芸人であるが、おいでやす小田とのお笑いユニット「おいでやすこが」では、2020年にM-1グランプリ決勝に進出。映画好き、料理好きとしても知られている。X @kogakogaken |
「1906L」なら、どんな服でもお洒落に見える
平 さあ始まりました「業界人! スニーカーハンター」。通算第12回、こがけんさんを迎えての3回目になります。お恥ずかしながら僕らは衣装を変えずに収録を続けていますが……こがけんさんはちゃんと帽子を変えてくれて。
こがけん はい、わたくし意識が高いので。少しでも絵変わりしないといけないんじゃないかと。
平 自分、スタイリストなのにお恥ずかしい限りです(汗)。
小島 我々も少し考えなきゃいけないね(汗)。さて、今回のお題は?
平 ニューバランスが特にお好きだと伺ったので、こがけんさんのベスト3をお聞きしようかと。
こがけん はい。ニューバランス、大好きですね。
平 断言して大丈夫ですか? ニューバランス以外の案件がこなくなっちゃうかも。
小島 (
このYouTube動画は)ニューバランスジャパンさんも見ていますからね。
こがけん 脅迫してどうするんですか(笑)。いわゆるライフスタイルベストを選ぼうと思ったんですが、そのときどきでやっぱり変わってくるんですよね。
今回はグレー縛りで3つ持ってきました。これぞニューバランスらしいカラーだと思うので。まずはこちらから。この動画でも何度も登場している「1906L」です。
平 素晴らしいですよね。
小島 僕も名作だと思います
こがけん はい。これはもう本当に完璧。100点満点だと思います。振り返れば、発売のウワサが立ってからかなり引っ張りましたよね。「まだ出ないのか!」と。
平 最初にお目見えしたのは2024年の1月、ジュンヤ ワタナベ マンのショーでした。そこから発売まで半年、いや、10カ月近くかかったのかな。
こがけん そうなんですよ。ドーバー ストリート マーケットに「まだ出ないんですか?」って電話しちゃいましたから。
平・小島 (笑)
こがけん 発売日も全然わからなくて。ここ最近はそんなシューズはなかったじゃないですか。
とにかくこの見た目がいい。「やばくない?」っていう。完璧すぎて何も言えない。何だろう。大人気のランニングシューズ「1906」の、ローファータイプなんですけど……。
平 本当に何も言えてないですね(笑)。
小島 今まさに、出るべくして出たシューズですよね。「時は来た」という感じ。
こがけん まさにそのとおり。この甲の、小さなNマークを見てください。いいですよね。僕がもしこのバリエーションをつけるとしたら、このNマークをメタルにします。ドカンと大きく配置しても、全然カッコいいと思うんですよ。
小島 いくらでもやりようがありますよね。
こがけん ベースのフォルムは「1906」と同じなんですけど、ここ(履き口からヒールの部分)をカットすることによって、同じシルバー×グレーでも全然表情が変わってくるという。
いわゆる革靴のローファーとはまったく逆のデザインじゃないですか。ギラギラしていて、ローファーという靴が本来持っていなかった要素を持っている。
小島 (アッパーの素材が)オールレザーじゃない、というのも利いています。
こがけん そうです、そうです。あくまでスニーカーとしてのアプローチなんですよ。そして誰もが気になるのがサイズ感だと思うんですが、いつものサイズでいけますよね?
小島 いけます。大丈夫です。
こがけん すっぽ抜けたりする心配はありませんのでご安心を。この「1906L」には本当にシビれました。箱を開けた瞬間、「うわぁ……」ってめちゃくちゃ感動したんですよ。
白×黒も、ジュンヤ ワタナベ マンから出ましたよね。あれもいい。でもやっぱりシルバー×グレー、良くないですか?
平 インラインというのがいいですよね。発売して即売り切れましたから、もう手に入らないと思いますよ。
小島 (生産数も)びっくりするくらい少なくて。
こがけん なるほど、もともとがそうなんですね。手に入って良かったなあ。
小島 カラバリも少なくて、2024年にシルバーと黒が出ただけで終わり。
こがけん 履いてるときの芸人の食い付きがいちばんいいのも、このシューズなんですよ。「これ何ですか!?」って。あとファッションに詳しい人は「買えたんですか!?」って驚きます。
(実際に履きながら)服がストリートでもモードでも、どちらでもいけるんですよ。もっと言えば、どんな服を着ても“いいハズし”になる。服を選ばず、人を選ばないという意味でも、「1906L」は100点満点です。
2/4