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ギャンブル依存症の家族は「支援をしない支援」をする

Unsplash

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ーーギャンブル依存症で悩んでいる人に対して、家族はどう向き合うべきですか?

ギャンブル依存症に悩んでいる人のご家族は「支援をしない支援」を学んでほしいです。普通、家族でギャンブル依存症の人がいたら、やめるようにお金や行動に制限をかけたくなると思います。

しかし制限すればするほど、ギャンブルしたくなるため実は逆効果。例えば、携帯にGPSを入れて行動を監視しようとすると、家に携帯を置いて出かけてしまいます。使えるお金を制限した場合は、消費者金融や友人、同僚から借金するでしょう。

ーー家族が一番やってはいけない行動はなんでしょう?
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消費者金融で借りたお金を肩代わりすることです。合法の借金なので、返済ができない場合は自己破産や個人再生、任意整理などで対処できます。

しかし、金利を心配して家族が肩代わりしてしまうと、借りたお金は変わらないのに法的な整理ができません。結果的に借金を返せなくなり苦しくなったときに、一発当てようと大金を入れてしまいます。

ーーお金の問題が、ギャンブル依存症を悪化させてしまうのですね。

家族はつらいと思いますが、借りている間は立て直せることを知り、何もしないことが大切です。家族会や自助グループでは、依存症の原因や正しい対処法について学び、お互いの経験を知る活動をしています。周りの人も同じ経験をしているので、だんだん諦めがつき、心が癒されるでしょう。

ギャンブル依存症は完治しないといわれているため、一時的にやめられたとしても、強いストレスを感じると再発してしまう場合があります。しかし、家族会のような自分の経験が活かせる場所や、助け合える仲間がいれば、ギャンブルをせずに生活することが可能です。

私はギャンブル依存症から回復して20年経ってますが、いまだにつらいときはギャンブルしたくなります。ですが他の人の支援をしていると、昔の経験があったから今の自分がいる。人助けするためにつらい思いをしていたんだという思考になり心が癒されます。

そして今ギャンブル依存症で悩んでいる人や、ご家族の苦しみを解放できる。依存症は慢性疾患なのでとても大変ですが、自分が社会貢献することで回復する不思議な病気なのです。
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ギャンブル依存症になったら相談機関に頼る

ーー今後、日本の法律が変わり、カジノができるようになった場合、ギャンブル依存症の人は増えると思いますか?

ギャンブル依存症の人は増えると予想しています。家族の人が依存症になった場合は、恥ずかしがらずに家族会や自助グループに相談してください。自分たちだけで解決しようとすると悪化してしまうので。

ーー今後、ギャンブル依存症に対してどのような取り組みをしていく予定ですか?

私たちは、依存症が自己責任扱いされているのを問題視しています。そもそも、ギャンブルは国が許可している産業です。マイナス部分の社会的コストから目を背けずに、有効な対策を打ち出すように働きかけていきます。
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最近はスマホ1台で簡単にギャンブルができるため、普段の行動より金銭面で発覚することが多い。無理に行動を制限したりお金を管理したりすると症状が悪化するため逆効果になる。

家族にギャンブル依存症の人がいたら、抱え込まずに周りの人に頼ったり家族会や自助グループに相談したりしよう。

アントレース、久坂部多月=取材・文

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