Shutterstock
健康や美容のためには運動習慣が欠かせないとはわかっていても、忙しい毎日のなかで運動を習慣化するのはなかなか難しい。
そこでおすすめなのが、階段を利用して行う「階段上り下り」エクササイズだ。本記事では、階段上り下りの効果や、エクササイズ方法を紹介。
特別な道具や時間も必要なく、手軽にできる「階段上り下り」エクササイズは、想像以上にメリットが多かった!
話を聞いたのはこの人!
坂詰真二さん●スポーツ&サイエンス代表。NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト。横浜市立大学文理学部卒。株式会社ピープル(現・コナミスポーツ)でディレクター、教育担当を歴任後、株式会社スポーツプログラムスで各種アスリートのコンディショニング指導を担当。1996年に独立し、パーソナル指導やトレーナー育成と並行して、各種メディア、セミナー等で健康情報を提供している。 代表的な著書に『世界一やせるスクワット』(日本文芸社、22万部超え)、近著『眠れなくなるほど面白い 図解 筋肉の話』(同)など多数。2024年YouTube「真トレーニングちゃんねる」を開設。
「階段上り下り」の効果はスクワット以上!?

Shutterstock
――「階段上り下り」エクササイズがおすすめの理由を教えてください。運動不足は筋肉量の減少と基礎代謝の低下を招き、体重増加や健康状態の悪化にもつながります。そして、特に落ちやすいのは下半身の筋肉です。
そのため、健康や美容の観点からも、下半身の筋肉を鍛えることは重要であり、下半身をまんべんなく鍛えられるスクワットは最も必要な筋トレといえます。
じつは「階段の上り下り」は、自体重を使ったスクワットと類似した動作を片足で行うため、同等かそれ以上の効果を期待できます。
ただし、駅構内など人が多い場所で行うと、接触や転倒の危険があるため避けること。周囲に人が少ないマンションやオフィスの階段などを利用するとよいでしょう。
――階段上りで、得られる身体的効果にはどのようなものがありますか?階段を上る動作では、お尻の大殿筋ともも裏のハムストリングスを集中的に鍛えられます。
加齢に伴い太りやすくなる最大の原因は、筋肉量の減少による基礎代謝の低下です。特に下半身の筋肉は体を支える重要な部位で、ここが弱ると代謝が落ちて太りやすくなります。
階段上りで下半身を鍛えることで基礎代謝が上がり、体脂肪が減りやすい体へと変化していきます。さらに、一段抜かしで階段を上ると、筋肉への刺激が増し、より高いトレーニング効果が得られます。
――階段下りで、得られる身体的効果にはどのようなものがありますか?階段を下る動作は、もも前の大腿四頭筋とふくらはぎの腓腹筋を強化します。下り時の着地の衝撃が骨芽細胞を刺激し、骨量が増えるため、骨粗しょう症の予防にもつながります。
筋肉量も骨量も加齢とともに減少していきます。筋肉は後からでも鍛え直せる一方で、骨量は回復が容易ではありません。将来を見据え、早めに骨を鍛えておくことが重要です。
――階段上りと下りの、どちらがおすすめですか?どちらかを選ぶならば、階段下りがおすすめです。
階段を上るほうが下るよりもキツく感じる人が多いかもしれません。しかし、じつは下りのほうが加齢で最も減りやすい大腿四頭筋にかかる負荷が大きく、鍛える効果が高いのです。
2/2