無人となった船に白骨死体……何が起きたのか?
乗り込んだ船に人影はありません。
ただ、船首に一つ、白骨死体が転がっています。
依頼主の命令で船に持ち込むことになったトランクを開いてみると、一冊の本とひとつの懐中時計が入っていました。
分厚い本を開くと、始めのページには依頼主から主人公に向けて書いた言葉が記されています。
同胞がたどった数奇な運命をこの手記にしたためたこと。しかし、健康状態が悪かったため大まかなあらましを書き残すのが精一杯であったこと。懐中時計を使用して全乗組員および乗客の身元と、彼らに何が起きたのかを探ること。
ただ、その手記は乗組員の名簿や船上のスケッチこそ見ることができるものの、何が起こったかを記しているはずの「物語」は、章立てて分かれている題名以外は白紙の状態でした。
一体何をどうすればよいのかわからぬまま、同梱されていた懐中時計を取り出します。懐中時計には髑髏(どくろ)の文様が刻まれていました。
試しに船首にある白骨死体にかざしてみると、くるくると時計が逆回転をし始め、やがてひとつの回想シーンが始まるのでした。
「船長! 開けてください!」
「蹴破れ」
「力づくで貝殻をいただきますよ!」
「船長の私に逆らうものは罰をくれてやる!」
時間を巻き戻したシーンで、船員に銃弾を浴びせる船長と思しき男。
これらの文字が消えるや否や、一発の銃声。そして、男が発砲した光景が目の前に広がります。
紙芝居の中に入り込んだかのように時空間は静止していて、プレイヤーの自分だけがその空間を自由に動けるようです。
船長と思しき男に撃たれた船員。
その静止した空間では銃を発射した男、銃弾を受けた男、それを目撃した男と、さまざまな人物がそこにおり、しばらくそれらを眺めていると、やがて先ほどの時間軸へと戻されるのでした。
再び先ほどの手記がパラパラと開かれ、このシーンが「終幕」という章の「その1」であったことが分かります。やや不鮮明に描かれた人物のスケッチには付箋が張られていて、「この人物は誰?」と「死因は?」の文字。
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