ヴァンズ「スケートハイ」とは
ヴァンズ(VANS)の「スケートハイ(SK8-HI)」とは、その名のとおりスケーター向けに生まれたハイカットスニーカー。
1978年に誕生したスケートハイは通称“ハイトップ”や“スケハイ”とも呼ばれ、「オールドスクール」や「オーセンティック」と並んでヴァンズの定番として数えられているモデルだ。
【写真11点】「ヴァンズ“スケートハイ”」を写真でチェック ヴァンズブランドの始まり
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1966年にアメリカ・カリフォルニア州アナハイムで、ポール・ヴァン・ドーレンとジェームズ・ヴァン・ドーレンの兄弟がヴァンズを設立。
スケートボード・ブームが勃発した’70年代に入ると、ソールのグリップ力が強く、しかもシンプルでどんなストリートファッションにも合わせやすいヴァンズのスニーカーをスケーター達はこぞって着用した。
その成果もあって1976年に“VANS OFF THE WALL”のロゴを作成したのだが、この「枠にとらわれない」という意味合いのある“OFF THE WALL”というスローガンこそ、ヴァンズがストリートで活躍する人たちに愛されている証だ。
スケートボードカルチャーと密接に関わり合ってきたヴァンズは、今日ではカジュアルファッションには欠かせないブランドになり、ファッションの最先端を行く人たちからも絶大な支持を得ている。
「スケートハイ」が誕生した背景
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スケートハイが誕生した1978年当時は、すでに「エラ(Era)」や「オールドスクール(Old School)」といった人気モデルがカリフォルニアのスケーターたちから絶大な支持を得ていた。
しかし、どちらもローカットモデルであったために、足首の保護という点では不十分だった。そこでヴァンズが発売したのが、ハイカットモデルのスケートハイだ。
伸びたアッパーが足首をサポートするという機能性はもちろん、その斬新なデザインもスケーターたちに支持され、それどころかBMXライダーの間でも人気を博すことになり、ストリートにおける必須アイテムのひとつになったのである。
ちなみに、デビュー当初は「スタイル38(Style38)」という名前だったが、まもなくして「スケートハイ」に変更。スケートを“SK8”と表記しているのは、英語でスケートの“エート”の発音が数字の「8(エイト)」と似ているから。
ハイカットスニーカーとしての革命
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スケートハイはスケーターがアクティブなトリックが出来るように開発された、いわゆる“スケシュー”と呼ばれるジャンルに属す。
しかも他のローカットモデルと違って、伸びたアッパーの内側に綿を詰め込んで足首を保護するという、当時としては画期的な機能も秘めていたのだ。
発売当初、ハイカットシューズといえば主に室内のコートで履くバスケットボール用がほとんどであったが、このスケートハイは屋外でのグリップ力や履き心地を高めたことも画期的だった。
ヴァンズ「スケートハイ」のデザインの特徴
先述のように“ハイカットスニーカーとして革命的”であったスケートハイ。ここではそのデザイン的な特徴について解説しよう。
アイコニックなサイドストライプ
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アッパーに配されたサイドストライプは、ヴァンズのアイデンティティとも言えるデザインだ。もともとは創業者のポール・ヴァン・ドーレン氏の落書きから着想を得て、1977年発売のオールドスクールに初採用。
そうしたブランドのDNAが、このスケートハイにも受け継がれている。
ハイカットの利点とスタイリング
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ハイカットの利点は、機能性で言えばスケーターの足首を保護することが挙げられるが、デザイン面から見るとスタイリングでの汎用性の高さが言えるだろう。
ハイカットならではのボリューミーなフォルムのおかげで、アッパーのカラーリングやストライプ、さらにはステッチまでが個性を主張する。
パンツのシルエットや色&柄、裾の長さ、そしてソックスの色&柄と合わせることで、さまざまなスタイルを演出することができるのだ。
いろいろなカラーバリエーション
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素材やカラーバリエーションが豊富なことも、スケートハイの魅力のひとつだ。
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アッパーもストライプもミッドソールも黒で統一したオールブラックと、ネイビー×ブルー×ホワイトで構成された明るい配色のモデルはどちらも定番。
その他、パステルカラーをクレイジーパターンでまとめたモデルや、有名ブランドとのコラボによって花柄がプリントされたモデルなどもある。自分のライフスタイルやコーディネイトに合わせて選ぶといいだろう。
ヴァンズ「スケートハイ」の技術的な特徴
グリップ力に優れ、耐久性と快適性も兼ね備えているスケートハイ。ここではその性能について掘り下げてみよう
クッション性と耐久性
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スケートハイはスケートボードに特化したシューズだけに、足で巧みに板を操るための高いグリップ力が自慢だ。
特に、本格的なスケーターのために作られたスケートラインでは、激しいトリック中に発生する強い衝撃から足を守るため、ポリウレタン素材をベースとしたPOPCUSH(ポップクッシュ)インソールが採用され、よりクッション性が高められている。
さらに、同ラインではヴァンズのアイコンであるワッフルソールにSICKSTICK(シックスティック)ゴム配合材を使用。それにより、高いグリップ力とともに屈曲性と耐久性も向上させている。
スケーターとの関係
もともとヴァンズは、アメリカ西海岸のサーファーたちが好んで履くスニーカーを製造していた。
1970年代になるとスケートボードが流行り出し、頑丈な作りのアッパーとグリップ力のあるラバーソールを備えたヴァンズのスニーカーが、スケーターたちの間でブームになった。
1976年ごろ、カリスマスケーターだったトニー・アルヴァとステイシー・ペラルタがヴァンズのオーセンティックを履いていたことがきっかけで、ヴァンズは一躍人気ブランドの地位を獲得したのだ。
1977年にオールドスクールとクラシックスリッポンが、’78年にはスケートハイが誕生し、そうした人気モデルとともにヴァンズは現在に至ってもストリート系の若者たちに支持されている。
他のスニーカーとの違い
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ランニングシューズやトレッキングシューズと違い、スケートハイのソールはフラットだ。しかし、スケートボードに特化したモデルだけあって、高いグリップ力に加え優れた耐衝撃性&耐久性を備えている。
それもハイカットスタイルが多いバスケットボールシューズのように滑らかな屋内コートではなく、スケートハイはあくまでも屋外=ストリートで自身の性能を発揮する。
そんなパフォーマンスを持ちながらも、見た目はいたってシンプルかつクラシカルだから、どんなファッションスタイルにも似合うのである。そうした“他のスニーカーとの相違点”こそが、スケートハイの人気の理由なのだ。
まとめ
スケーターに必要な機能により特化させるために、フォルムをハイカットにしたスケートハイ。そのおかげでデザイン的な個性も強まり、ハイカットならではの汎用性=スタイリングの幅が広がるというメリットを得た。
備わった高いグリップ力と優れた耐衝撃性&耐久性は、日常使いでもきっと安心感を得られるはず。
そんな秀逸なハイカットスニーカー、スケートハイを履いたことがないという方は、その実力をぜひ自身で感じていただきたい。