シモーネ・ベロッティ● ドルチェ&ガッバーナやボッテガ・ヴェネタ、グッチなどで上級職を歴任し、2022年10月にバリーへ入閣。23年には新クリエイティブ・ディレクターに任命され、24年春夏でコレクションデビューを飾る。デニム上下に白Tのスタイルがかなり格好いい。
▶︎すべての写真を見る とびきりプレシャスなデニムを発見。新生バリーが手掛けた、オーセンティックで匿名的な一本だ。
その魅力を深堀りすべく、今季よりクリエイティブ・ディレクターを務めるシモーネ・ベロッティさんにあれこれ訊いてみた。
「プレシャスデニムの着想源はなんですか?」
——シモーネさん、こんにちは。まずは24年春夏コレクションのテーマをおさらいさせてください。 スイス、アーカイブ、そしてモンテ・ヴェリタですね。
——靴やバッグなど、バリーが誇るアーカイブに着想を得たと伺いました。 はい。まずはバリー家の家紋です。それから、1923年のグレンデール、40年のバリーリーナ、51年のスクライブといったシューズ。アイコニックなリボン付きバッグ、ベケットからもイメージを膨らませました。
170年を超えるバリーの伝統に軸足を置きながら、フレッシュで開放的なコレクションを展開。
——デニムにも特別なデザインソースはありますか? 90年代に活躍したアメリカのフォトグラファー、ウィリアム・ゲドニーの作品から刺激を受けています。サンフランシスコの少年の姿を捉えた写真が特に有名で、とても印象的です。
ロングコートやレザーと合わせたシンプルなデニムスタイルは、会場となったミラノでもひと際大きな注目を浴びた。
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