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職人の地位向上を目指し続ける

「僕はずっと作家の方たちに『将来、フェラーリに乗れるよ』と話しています」と笑いながら語る山川さん。作家として有名になり、作品も売れるように一緒に頑張ろうと声をかけているそうです。

「フェラーリというのは比喩ですが、それぐらいわかりやすいアイコンがあってもいいなと思っています。作家さんがフェラーリに乗っているのを子どもたちが見たら『彫刻師になったら、かっこいい車に乗れるんだ!』と夢を与えられる。職人を、子どもたちから憧れられる職業にしていきたいんです」

〈Bed and Craft〉はホテルの名称ですが、プロジェクトの名称でもあります。宿だけではなくさまざまな取り組みで、町や職人の地位向上を日々目指しています。

「今までは、空き家の古民家を改修していました。次に課題となっているのが空き公共施設や空き工場。一個人ではどうしてもできない規模のものが多くあります。南砺市は昔の4町4村が一つになった市なので、昔の図書館が各町内にあるなど、公共の施設が乱立しているのが現状。市は20、30年かけて公共施設を半分にすると言っています。

これからますます人口が減って維持管理も大変ですから、そうした施設を地域のストックとして残していけるか、地域の人のためにどう利活用していけるかを考えています。今後何かベンチマークとなるようなものをつくり、他の地域でも参考になるような事例を広げていけたらいいなと思っています」

〈Bed and Craft〉にチェックインする時のレセプション&ラウンジ

〈Bed and Craft〉にチェックインする時のレセプション&ラウンジ

〈Bed and Craft〉
HP:https://bedandcraft.com/
Instagram:@bedandcraft


宮原沙紀=文
記事提供:FUTURE IS NOW

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