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スリーアミーゴズが待ったをかけた

その名のとおり“フレッシュ”な佇まいをキープすべく、シワが目立ちにくく、汚れを落としやすいテクスチャード加工のレザーを採用した「ナイキ エア フォース 1 ‘07 フレッシュ」1万9250円/ナイキ(NIKE カスタマーサービス 0120-6453-77)

その名のとおり“フレッシュ”な佇まいをキープすべく、シワが目立ちにくく、汚れを落としやすいテクスチャード加工のレザーを採用した「ナイキ エア フォース 1 ‘07 フレッシュ」1万9250円/ナイキ スポーツウェア(NIKE カスタマーサービス 0120-6453-77)



「エア フォース 1」は1984年に生産終了が決まる。後継モデル「エア フォース 2」の発売を受けたものだった。

これに待ったをかけたのがスリーアミーゴズ。ファンはボルチモアにある3つの店ーーダウンタウン・ロッカールーム、チャーリー・ルドー・スポーツ、シンデレラ・シューズーーを親しみを込めてそう呼んだ。

スリーアミーゴズはカスタムカラーをリクエストした。それが、現在も続く“Color of the Month Club”だった。ナイキはかれらの熱意に根負けして1カラー1200足を買い取ることを条件に重い腰をあげた。「エア フォース 1」はナイキがその歴史ではじめて再販したモデルだった。

はたには厳しい条件に思われたが、かれらはいともかんたんに売り切った。

88年には、晴れて正式に復刻される運びとなった。


ヴァージル・アブローの遺作

ナイキ エア ユニットがミッドソールからのぞく「ナイキ エア フォース 1 MID エヴォ」2万900円/ナイキ(NIKE カスタマーサービス 0120-6453-77)

ナイキ エア ユニットがミッドソールからのぞく「ナイキ エア フォース 1 MID エヴォ」2万900円/ナイキ スポーツウェア(NIKE カスタマーサービス 0120-6453-77)


ハイテクブームが巻き起こるなか、「エア フォース 1」はストリートへと飛び出す。ラッパーの成功の証はオールホワイトの「エア フォース 1」だった。ラッパーはいつだってシミひとつない「エア フォース 1」を履いた。汚れればためらわずおニューをおろしたからだ。そうしてみずからの権勢を誇った。

この流れを後押しするように94年には「エア フォース 1 ミッド」が登場。ジュエルスウッシュ(立体的でその名のとおり宝石のようなスウッシュのこと)やシューレースを飾るメタルパーツのデュブレもこのころ誕生した。いずれもストリートに根づかせるための水やりであり、時を前後してカラー、素材のバリエーションも増えていく。これまでにラインナップされたモデルは2000とも3000ともいわれている。



多くのハイテクスニーカーにプレミアムがつくなか、リセールプライスが守られたのも大きい。色気づいた少年にとって、「エア フォース 1」はもっとも身近で、もっとも頼りになる相棒だった。



“LV”は高めるの意となるELEVATEから採っている。“07”はリニューアルされた年を指す。冬仕様にアップデートした「ナイキ エア フォース 1 ‘07 LV8」1万6500円/ナイキ(NIKE カスタマーサービス 0120-6453-77)

“LV”は高めるの意となるELEVATEから採っている。“07”はリニューアルされた年を指す。冬仕様にアップデートした「ナイキ エア フォース 1 ‘07 LV8」1万6500円/ナイキ スポーツウェア(NIKE カスタマーサービス 0120-6453-77)


ストリートカルチャーのなかで大切に育まれた「エア フォース 1」は故ヴァージル・アブローにとっても思い入れのある一足だった。

かれのルイ・ヴィトンでの遺作は、「エア フォース 1」だった。


[問い合わせ]
NIKE カスタマーサービス
0120-6453-77
https://www.nike.com/jp/

竹川 圭=取材・文

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