連載「酒好きのための酒HACK」とは…… 「ビール腹」という言葉があるように、酒は太るものと言われてきた。でも、本当にそうだろうか?
今回は、アンチエイジング専門医の近藤千種氏に「酒と肥満の関係」と「太らない飲み方」を聞いた。
話を聞いたのはこの人!
近藤千種●1971年生まれ。内科医、アンチエイジング専門医。帝京大学医学部卒業。2023年ちぐさ内科クリニック覚王山を開業し、院長に就任。内科、美容皮膚科のほか、ダイエット外来なども行っている。
「お酒が太る」と言われる2つの理由
――お酒を飲むと太ると言われているのはなぜでしょうか? 理由は2つあります。
1つには
おつまみの食べ過ぎによるカロリーオーバーです。食欲を抑制するレプチンというホルモンがあるのですが、アルコールにはそのレプチンを減少させる作用があると言われています。
また、アルコールは理性も抑制するため、いつもよりもつい食べてしまう。外食のおつまみには、高カロリーな揚げ物なども多いので、カロリー過多になりやすいんですね。
ーーなるほど。 もうひとつは
代謝が落ちるため。肝臓は人体の化学工場とも呼ばれる臓器で、アルコールだけでなく、糖質やタンパク質などの代謝も行っています。
ところがお酒を飲むと、肝臓はアルコールを優先して分解するため、糖質やタンパク質の代謝が後回しになってしまう。そして分解されずに溜まった糖質は脂肪として蓄積される。これがお酒が太ると言われる理由です。
――例えばご飯とビールが同じカロリー、同じ糖質量だったとして、アルコールが含まれている分、ビールのほうが太りやすいということですか? 理論的にはそうなりますね。
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