年末年始は美味しいものをたらふく食べてゆっくりしたいが、「正月太り」にも気をつけたいところ。
「正月はおせちを食べる人が多いと思いますが、おせちにも太りやすいものとそうじゃないものがあります。食べ方を意識するだけで、正月太りを抑えることができます」と話すのは管理栄養士の金子あきこさんだ。
というわけで、事前に知っておきたいおせちの食べ方を金子さんに聞いた。
話を聞いたのはこの人!
金子あきこ●管理栄養士。飲食メーカーのレシピ開発や高齢者施設などの給食事業を手掛けるAricofood株式会社代表取締役。NHK『美と若さの新常識~カラダのヒミツ~』、日本テレビ『ヒルナンデス!』などメディア出演多数。著書に『おなか ぺったんこ 腸筋レシピ』(repicbook株式会社)など。
甘い系のおせちは高血糖に要注意
――そもそも、おせちは太りやすいものが多いんでしょうか? 重箱に並んだものを見ると、肉類や脂質を含んだものが少ないので勘違いしている方もいらっしゃるのですが、日持ちをするように甘い味付けになっている品目が多いです。糖分の多いおせちを急いで食べたり、ダラダラと食べることで、血糖値が急激に上がったり、血糖値の高い状態が続きます。すると血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンは糖分を脂肪に換えて体に溜め込む働きがあるため太りやすくなります。
カロリーの多い黒豆、栗きんとん、伊達巻などを食べて、さらにお餅やケーキも食べるとなると糖質過多になります。
甘い系のおせちは少しつまむ程度にしておくのが無難です。
――糖質過多は健康にも悪いですか? 最初にお餅や甘いものを食べると、血糖値が急激に上昇する血糖値スパイクを起こす可能性があります。血糖値が急激に上がると、血管に負担がかかるため心筋梗塞や脳卒中のリスクが高くなります。
ですから、おせちを食べる順番としては、
最初になますや松前漬け、お煮しめ、たたきごぼうなどの食物繊維が含まれているものを食べるようにしてください。
食物繊維には血糖値の上昇を緩やかにしたり、腸内環境を整えてくれたりする働きがあります。また、歯ごたえの良いものが多いので満腹感が得られ、食べすぎを防げます。ただし、なますをはじめとする酢のものは食欲が増すためほどほどにしましょう。
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