今年もアメリカ・ラスベガスで開催された、世界最大級のカスタムカーの祭典「SEMAショー」。
連載「珍稀車図鑑」で鹿田さんも現地に飛んだが、近年は“キャンプ遊びでも未踏地トライアルでも何でもOK”な、ピックアップ＆SUVのオーバーランダー仕様が主流になっている。
2023年8月に新型「ランドクルーザー」（日本のランドクルーザー250）の導入を発表した北米トヨタゆえ、そのオーバーランダーなどのカスタムカーを出展すると思いきや……。
なんだか予想外の“TOYOTA”がたくさんあったぞ！
【写真10点】「北米TOYOTAの謹製カスタム」を写真でチェック 20年以上前のコンセプトカーをレストアしたレトロクルーザー
トヨタ「レトロクルーザー」。乗り心地を考えリアサスペンションは特注品が採用された（1999年当時）。
1955年登場の20系から、北米への輸出から始まった北米でのランドクルーザーの歴史。
その長い歴史を紡ぐ新型ランクルが2024年春から販売が開始されるのだが、それを“記念”して北米トヨタが用意したのは、1999年のSEMAショーで発表したランクルのカスタムカーだった。
保管庫から取り出してきたというその1999年製「レトロクルーザー」は、1967年式の40系がベース。そこに1999年当時の現行型であるランドクルーザー100系の要素をぶち込んだというカスタムカーだ。
エンジンは100系の4.7L V8エンジンに変わり、足回りも変更され、衛星電話やカーナビまで備えられた。40系の武骨なルックスと、100系のラグジュアリーさを合わせ持つランドクルーザーというわけだ。
40系のフレームを10インチ伸ばして、エクステリアをこんなワゴンスタイルにカスタマイズ（1999年当時）。
そんな1999年製レトロクルーザーを、北米トヨタは今年のSEMAショーに向けて消耗品や経年劣化していた部品を交換し、外板は素地まで塗装を剥いでから再塗装。再び乗れるように隅々までレストアした。
つまり20年以上も前のカスタムカーを再展示したのだ。そう聞くとなんだか手を抜いたように聞こえるかも知れないが、その勇姿を見れば、いやいやどうして。オーバーランダー全盛期の今の時代でも、かなりキュンとする見た目じゃないか！
上質なコノリーレザーがシートを覆うレトロクルーザー。
一説には1999年製のカスタムカーが、後のFJクルーザーに繋がったという話もある（FJクルーザーは70系をベースに40系のルックスを備えた車で、最初は北米のみで2005年から販売されていた）。
そういえば間もなく日本や北米で販売される予定のランクル250も丸目も選べるようだし、再再販されたランクル70もLEDになっても従来通り丸目が維持された。
世界最大級のSEMAショーで、40系のような丸目が最新トレンドだという確かな手応えを北米トヨタが感じたならば、本当にレトロクルーザーから新たなランクル兄弟が誕生するかも!?
2/3
