地球上に走れぬ道はない。“野獣化”したFJブルーザー
トヨタ「FJブルーザー」。“Unstoppable(止められない)”をコンセプトに開発が始まったが、できあがったら“beastly vehicle”になったので「ブルーザー」という名が与えられたそう。
上記と同じく、40系ピックアップトラックをベースに、北米トヨタがロッククローラーに仕立てたのが「FJブルーザー」だ。
ロッククローリングとは、急斜面や岩場など、車にとって超過酷な状況下を走破するエクストリームスポーツのひとつ。1966年式というご老体に、そんな過酷な競技にも参加できるほどの強靱な肉体改造を施したというわけだ。
見た目はシンプルだけど、激しい起伏の地表を激走すべく、実は最新技術がたくさん投入されている。
見たとおり、どんな凸凹でも走行できるように足回りは大幅に変更されている。それでも足が届かず、車の腹でジタバタするような状況に陥っても、その腹にキャタピラーまで備えているので、脱出可能だという。
ボディ下に備えられたキャタピラー。車内のスイッチで作動させる。
また、オリジナルのエンジンを変更したのは言うまでもないが、代わりに搭載されたのは、なんとNASCAR(アメリカ最大のモータースポーツ)用の、最高出力725馬力を発生するV8エンジン。
とまあ、北米トヨタいわく「使い古された1966年型FJ45ピックアップが、世界で最も過酷な地形も征服できるコンセプトカーへと生まれ変わった」。
こんな大胆カスタムを、メーカー自らやっちゃうのが、遊び心いっぱいの北米トヨタ。これを発売して!とは言わないけれど、かつて日本へ逆輸入されたFJクルーザーのように、彼らの作る “遊べるトヨタ車”がいつかやって来ることを期待したい。
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