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2023.12.28

からだ

ポイントは「肥満」と「アルコール」! 痛風のメカニズムと対策を専門家が解説



突如訪れる足指の付け根からの激痛。疑うべきは、風が吹くだけで痛みが走るという“痛風”だ。

プリン体の多い食事や肥満などの不摂生から発症する炎症なのだが、「とにかく痛い」「おじさんがかかる病気」「贅沢病」程度の知識しかない人も多いのではないだろうか。

今回は、東京慈恵会医科大学の名誉教授である細谷龍男氏に痛風のメカニズムや対策について教えてもらった。
話を聞いたのはこの人!細谷龍男●東京慈恵会医科大学・細谷龍男名誉教授。慢性腎臓病、高血圧、痛風・高尿酸血症が専門で、赤坂中央クリニック、日本橋福和クリニックにおいて診察も行っている。腎疾患や高尿酸血症に対する治療ガイドラインの策定にも携わる。

細谷龍男●東京慈恵会医科大学・細谷龍男名誉教授。慢性腎臓病、高血圧、痛風・高尿酸血症が専門で、赤坂中央クリニック、日本橋福和クリニックにおいて診察も行っている。腎疾患や高尿酸血症に対する治療ガイドラインの策定にも携わる。 

重篤な合併症を引き起こす高尿酸血症

――まずは、痛風の症状とメカニズムを教えてください。

足の親指などの関節が突然はれ上がって、ものすごく痛くなる。これが痛風の症状です。原因は、尿酸という物質。血液中にある尿酸が、関節と関節の間にある関節腔に結晶として析出し激しい炎症をもたらします。

身体の中に尿酸が過剰にある「高尿酸血症」が続くことで、尿酸が結晶化・沈着し、痛風が起こるというメカニズムです。

――何か前兆などはあるのでしょうか。

目に見える前兆や危険信号は無いのですが、健康診断で測定する血清尿酸値が指標となります。この値が6点台後半から7点以上になると尿酸が溶けにくくなる危険域、つまりいつ痛風になってもおかしくない状態です。

去年、一昨年の健康診断で、続けて「尿酸値が高いですよ」と言われた人は要注意ですね。

――高尿酸血症を放置すると、どうなってしまうのでしょう。

痛風の関節炎は、尿酸の結晶が身体の防御作用で溶けてくれるので、1週間から10日程度で収まります。ただ、高尿酸血症が続けば関節炎が再発します。

何度も関節炎を起こした人は足の指が変形してしまい、靴が履けなくなったことがありました。しかも、その間隔がだんだん短くなって、次第に足の指の付け根から膝など、他の部位が痛む場合もあります。

さらに、高尿酸血症の人は高脂血症や高血圧、慢性腎臓病、心筋梗塞、脳卒中などのリスクが高いので、尿酸値を下げる生活習慣が必要となります。


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