痛風になる人のキーワードは「アルコール」と「肥満」
――痛風になる原因の一つにプリン体があるとされていますが……。 プリン体というのは物質核酸。この核酸が壊れて、捨てられる形になったものが尿酸です。だから、プリン体を含むものを食べれば、尿酸が増えて痛風リスクは高まりますが、全体の割合で言えば、そこまで高くない。せいぜい全体の3割~4割程度です。
気を付けるべきは、プリン体よりもアルコール。核酸の分解を促進して尿酸がたくさんできてしまいます。また、アルコールを摂取することで排泄が滞り、尿として尿酸が排出されず、身体に尿酸が留まってしまいます。尿酸の精製・排出の面でも尿酸値が高くなるように働いてしまうんですね。
だから、「プリン体カット」と書いてあるお酒だからといって安心してはいけません。それよりもアルコールの量を減らす必要があります。
――他にも痛風になる要因はあるのでしょうか。 肥満は尿酸値が高くなりやすいですね。仕事で忙しくなると運動不足になってしまいますし、仕事の付き合いで飲み会の回数も増えがち。そうなると20代後半から30代のはじめにかけて高尿酸血症になってしまい、4、5年経った35歳ぐらいに痛風が発症するケースが多いわけです。
――痛風を避けるにはアルコール量を抑え、肥満にならないようにすると良いということですね。 そうですね。お酒は不定期の飲み会で飲み過ぎてしまうよりも、毎日晩酌している人のほうが危険です。上手に休肝日を作って調整した方が良いでしょう。
運動をする場合も筋トレなどの無酸素運動よりも、ウォーキングやジョギングといった有酸素運動の方が良い。呼吸をしない運動は筋肉から尿酸がどんどん産生されてしまうんですね。だから痩せようとして筋トレを始めたら痛風の症状が出てきてしまった、という人もいます。
あと個人的には、運動は習慣にできるものを続けてほしいですね。例えば、張り切ってジムに通い始めたものの、忙しくて辞めてしまったという人も多いと思います。
バス通勤をやめて1駅分歩くなど、無理なく続けられることを習慣にしてほしいです。
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