▶︎すべての写真を見る シワ、シミ、ニキビ、毛穴の巨大化……。誰もが悩んだことのある肌トラブル、実は
紫外線が大きな原因かもしれない。
今回は、肌のアンチエイジングを専門とする皮膚科専門医の小林智子先生に、男性に多い肌トラブルの現状を伺った。
話を聞いたのはこの人!
小林智子●皮膚科専門医、医学博士。2015年よりアメリカ・ノースウェスタン大学にて皮膚科の臨床研究に従事。帰国後は同志社大学アンチエイジングセンターにて糖化についての研究を行う傍ら、都内で美容皮膚科の診療もスタート。自身のYouTubeではスキンケアにまつわる情報を発信。
男性は紫外線のダメージを受けやすい
――秋冬へと突入しましたが、30~40代の男性の肌はどのような状態なのでしょうか? きちんと日焼け止めを塗っていた方と、そうでない方でかなり違いが出てきますが、夏にたっぷり紫外線を浴びて日焼けした肌の色も、秋になって徐々に薄くなってきているかと思います。それは肌の新陳代謝によるもので、メラニンを含んだ肌が入れ替わったことが影響しています。
しかし、浴びた紫外線が多すぎて、新陳代謝をこえてメラニンが産生されると、シミとして鎮座してしまいます。あるいは、今は目に見えていなくても、シミ予備軍になっていて、いずれは顕在化するリスクがあるというのが、今の肌の状態です。
――改めて、紫外線が肌にどういったダメージをもたらすのでしょう? 紫外線は単に日焼けだけではなく、肌の奥の方にある「真皮」まで届いて老化を加速させます。
具体的には、紫外線によって「活性酸素」を発生させ、肌の弾力やハリのもととなるコラーゲンやエラスチンを分解したり、変性させたりします。
――女性と男性で肌の質に違いなどはありますか? 男性は皮脂の分泌量が、女性の約3倍と言われています。しかも男性は紫外線の影響を受けやすく、皮脂が適量を超えると、毛穴が詰まってニキビの原因にもなります。
――紫外線がニキビにも関係しているんですね……。 そうなんです。男性の方が皮脂が多いので、ベタっとした見た目で潤っているように見えますが、実際は肌の水分が蒸発しやすく、水分量が女性よりも低下しやすいこともわかっています。これを俗語で「インナードライ」と言っています。
皮脂は表面に出てきますが、その過程で水分量が少ないと固まりやすく、ニキビができやすくなってしまうのです。
秋冬は乾燥しやすい季節ですし、紫外線で肌のバリア機能が低下しているため、男性の方が女性よりも肌トラブルを起こしやすいのは確かです。
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