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2023.12.27

シリーズ初のEV車。BMW X1の新モデル「iX1」に対する識者3人の評価

556万円〜。

556万円〜。

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BMW製SUVのエントリーモデルであるX1は、コンパクトなサイズと取り回しの良さが特徴で、日本において圧倒的な人気を誇る。

今年、3代目となるフルモデルチェンジを果たし、よりシャープなスタイルに変貌。大きなキドニーグリルや印象的なデザインのランプ類なども新世代BMWを象徴する。

さらにパワートレインはガソリンとディーゼルに加え、X1シリーズ初のEVモデルとして登場したのが「iX1」だ。
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果たして識者3人のご意見はいかに。

今、BEVを買うならコレ

X1はBMWのSUV群のなかでは最もコンパクトなモデルです。街中ジャストのサイズにして駆動方式は四駆のみ、最低地上高も200mmあまりを確保と、なかなか本格的な一面も備えています。

エンジンはガソリンとディーゼルを選ぶことができ、ディーゼルならば満タン1000kmのロングレンジ走行も期待できそうです。

ともあれ実用性の高いX1、実はBEVも用意されています。

名前はiX1。外観の識別点としてはエンブレムやライト回りの青いアクセントなど。床下にバッテリーを敷く関係で床面は若干フロアが高く、荷室容量や最低地上高も削られますが、その差異は無視できるレベルでもあります。

BMWのBEVは電費がいいので300km以上の航続距離は期待できるでしょう。そのうえで、ツインモーター四駆の走りもBMWの期待に十分応えてくれるパフォーマンスを備えています。

と、その装備や性能への対価、すなわちコスパも直近で値上がりしてしまったものの、相変わらず日本車のBEVのライバルに比肩するところをキープ。かなりの大盤振る舞いです。

仮に今、BEVを検討するなら間違いなく加えたほうがいい選択肢といえるでしょう。

自動車ライター
渡辺敏史

出版社で自動車/バイク雑誌の編集に携わったあと、独立。自動車誌での執筆量が非常に多いジャーナリストのひとり。車の評価基準は、市井の人の暮らしにとって、いいものかどうか。


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昭和脳を更新するX1

昭和の男として馴染めないもののひとつが、フラットキャップっていうんですか、ツバが一直線のキャップだ。

ツバは深く折れば折るほどカッコいいと刷り込まれてきた自分にとって、フラットキャップは小学校低学年の野球少年のアイテムだ。

昭和の男としてもうひとつ馴染めなかったのが、スポーツSUVだ。

いえ、普通のSUVやオフロード4駆はいいんです。昭和の男も、それほど時代遅れじゃない。けれども、車は低ければ低いほどカッコいいと刷り込まれ、楠みちはる先生の『シャコタン☆ブギ』をバイブルに育った身としては、ギンギンの走りを売りにする車の車高が高いというのは、どうにも違和感がある。
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だからジムニーやレンジローバーは大好物だけど、カイエンとかウルスは見ないフリをしてきた。

ところがどうでしょう!このBMW X1ときたら、スポーツ仕様じゃないフツーのディーゼルでも、清く正しく美しく、すいすいと走る。SUVでFUN TO DRIVEも悪くないかも……と、思想信条がぐらぐらと揺れる。

BMW X1は、頑固な昭和脳をアップデードしてくれるくらい、よくできたコンパクトSUVだった。こうなったらもう、フラットキャップをカブって乗っちゃおうかな。

モータージャーナリスト
サトータケシ
フリーランスのライター/エディター。原稿を執筆している本日(10月25日)は、ジャパンモビリティショーのプレスデー。けれども私は都会の片隅でお仕事をしています。18時の閉門に間に合うのか!?



初めて選びたいBEV!

BMWのラインナップでは車名につく最初の数字が大きくなればなるほど高級である。逆にいうと1や2が入門レベル。

1や2を買う層は駆動方式など気にしない、として、BMWが初めて前輪駆動(FF)モデルを2シリーズに設定したのがちょうど10年前。グループにはミニというFFモデルがあって経験は豊富にあったはず、なのに初期型2シリーズのデキはさほどよろしくなかった。

10年経った今、X1に乗ってみて思ったのは、BMWもようやくFFをものにしたなということ。なるほど、駆動方式の違いを感じさせない乗り味で、パーソナルカーとして抜群の使い勝手と、BMWらしいスポーティなドライブフィールをやっと両立した。

けれどもその瞬間に新たな事件も起きた。同時発表で同じカタチのフルバッテリー駆動モデル(BEV)のiX1もそれ以上に素晴らしい乗り味を実現していたのだ。個人的には初めて内燃機関モデルよりも積極的に選びたいBEVのBMWだと思う。

この先BMWのBEVはおそらく、積極的に欲しくなる車になっていくに違いない。さすがは今、ドイツプレミアムブランドで最もBEVを売っているだけのことはあった。

モータージャーナリスト
西川 淳
フリーランスの自動車“趣味”ライター。得意分野は、スーパースポーツ、クラシック&ヴィンテージといった趣味車。所有する愛車もフィアット500(古くて可愛いやつ)やロータス エランなど趣味三昧。

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